気になるトルコとEUとの関係悪化
 

 


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ドイツとトルコ外相会談、非難合戦に終始

 
 

 
 


16日、トルコの首都アンカラで行われたトルコとドイツの外相会談は
避難合戦に終始。写真はエルドアン大統領を挟んでドイツ(左)とトルコの外相

 
 

今 世界は日に日に混沌として来ており、多くの国が世論の二極化が進み混迷を深めて来ている。 その代表的な国がかっての覇権国・英国であり、現在の覇権国・米国である。 その二極化がもたらした結果が英国のEU(ヨーロッパ連合)からの離脱であり、 トランプ次期大統領の登場である。 そして、そのどちらもが事前の予想とは逆さまの結果であったために世界が驚いているのだ。

これから先英国社会は二極化によって、全ての面で国民が一丸となることが難しくなるため、激しい論争と憎しみ合いが増していくことになりそうである。 いま英国政府は来年3月までにEUに提出する離脱の正式な手続き進めようとしているが、離脱賛成派と反対派が今もなお憎しみ合い激しい論争を続けて いる。 そのためメイ首相がEUに伝えた期限までに手続きが完了できるか分からない状況に立ち至っている。

こうした二極化の傾向は離脱した英国だけの問題ではなく、他のEU諸国やEU自体にも発生している。 二極化した論争の一つが、イスラム系移民に対する対応であり、もう一つが難民受け入れに対する対応である。 こうした対応の違いはEU諸国やEUを二分するところとなり、やがてはEUの分断をもたらすことにもなりかねない。

いま私が一番心配しているのは、難民問題のキーとなっているEUとトルコとの分断である。 現在、EUへの難民の数が極めて少数で止まっているのは、EUとトルコとの間で難民に関する協定が成立し、不法にギリシャなどに渡ってくる難民はトルコに強制送還し、それと同じ数の難民をEU各国がトルコから分散して受け入れることになっているからである。

 
 

 
 


トルコのチャウショール外相は、第一次世界大戦中にオスマントルコ帝国が
アルメニア人を大量虐殺したとする決議案がドイツ議会で可決されたことや、
ドイツ政府がトルコ政府に対して人権侵害をしていると避難していることに強く反発。

 
 

ところが、7月に発生したトルコのクーデター未遂事件の後、トルコのエルドアン大統領の強権的な政治姿勢が厳しさを増し、クーデターに関わっていたとしてグレン教団の他、政府に批判的なメディアや学校や企業などに属する人物の逮捕、投獄が続けられている。 最近は弾圧の矛先がクルド系や左派の関係者にまで広められており、先日はクルド系政党の党首など9人が逮捕されている。

こうした事からEU各国からトルコ政府に対する批判の声が高まり、トルコとEUの関係がきしみ始めている。 そうした状況下で15日にドイツのシュタインマイヤー外相がトルコを訪問し、チャウショール外相 との会談が行われた。 ドイツZDFテレビは会談は非常に厳しいものとなり、お互いに非難合戦に終始したことを伝えている。 また、その夜にシュタインマイヤー外相はエルドアン大統領の宮殿に招待されたものの、冷たい雰囲気のままで終わったようである。

英国が離脱したEUの中で中心的存在となっているドイツ。 比較的穏便な考えで融和を図ってきているドイツとトルコの関係がこれだけ悪化してきているとなると、EUとトルコの関係の悪化が深刻化する可能性は大きいと考えざるを得なくなってくる。

かねてから伝えているように、トルコは世界最終戦争となる第3次世界大戦勃発の鍵を握っている国だけに、NATO(北大西洋条約機構)の一国であるトルコとEU諸国との関係悪化は、ロシアや中国、シリアの喜ぶところとなり、「欧米対ロシア・中国」の対立を産み、世界大戦に向かって一歩を踏み出すきっかけとなりそうである。

 
 

 

 


一方、シュタインマイヤー外相はトルコ政府によるグレン教団関係者の
大量逮捕や公務員の大量解雇、報道の自由の制限などを強く非難。
両国の関係の悪化はこれから先、トルコとEUの関係悪化へと進みそうである。

 

 




 

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