今朝もまた、イギリスBBCニュースが見るも無惨なシリア内戦の凄まじい状況を伝えていた。 シリア反政府勢力の拠点・アレッポ東部の戦闘が、一段と激しさを増して来ていることは既にお伝えして来ている通りであるが、ここ数日の戦闘は反政府勢力にとって、アレッポ東部を支配下においた2012年以来、最大の敗北となったようで、支配エリアの3分の1を失うところとなったようである。
BBCニュースは、これから先、年末にかけての戦闘は内戦全体の行方を左右するターニングポイントとなるのではないかと伝えている。 6年近くにわたって互角に戦ってきた反政府勢力が、ここに来て一気に劣勢に立たされた要因は、ロシア軍の空爆の支援を得たシリア政府軍が地上戦を有利に戦えていることである。
その背景にあるのが、これまで長年にわたって反政府勢力を支えてきた米国に生じた政権の空白である。 予想外のトランプ氏の勝利によってオバマ政権が支援に乗り出せない状況が生じてしまったのだ。
切れ者のプーチンがそのチャンスを見逃すはずがない。 先月、国連や世論の攻撃を避けるため一時的に戦闘を休止し、アレッポ東部に残っている20万とも25万人とも言われている住民に避難を呼びかけた作戦もみな、今回の大規模攻撃のための布石であったと言うわけだ。 そうしておけば、世論の非難を心配する必要がないからだ。
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破壊された我が家の姿を呆然と見つめる7才の少女
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いずれにしろ泣きを見るのは市民たち。 掲載させて頂いた破壊された街の様子や負傷した子供たちの様子をご覧頂ければ、彼らがいかに悲惨な状況に置かれているかがお分かりになられるだろう。 空爆で住む家は破壊され食べ物は底を着き、負傷した傷の手当てをする病院も破壊されてしまっているのだ。
こうした悲惨な人々のために、国連は何度か休戦を呼びかけたものの、それらも皆、中途半端で終わり、結局のところ何も出来ないまま今日に至ってしまっている。 支援できたことと言えば、わずかな食料や燃料を届けることぐらいであった。 無慈悲な戦争を前に何一つ出来ない国際社会の無力さをこれほど感じたことはない。 我々に出来ることと言えば、避難民への支援ぐらいだけである。
今回の戦闘で、一部の地域で反政府勢力のバリアが崩壊したため、住民
約1万5000人が支配地域外に脱出したようである。 どうやら、前回のアサド政府とロシア政府による休戦時に避難する住民がいなかったのは、反政府勢力やIS(イスラム国)などの武装集団によって避難を阻害されていたからのようである。
反政府勢力も武装集団も、はたまたアサド政権もロシア政府もみな、我が身を守り、おのれの主張を貫くために戦っているだけで、そこで暮らす市民のことなどどうでもよいのだ。 いつの世も泣きを見るのは一般市民。 苦しみ、悲しみ、憎しみの支配するこの世の中で学ぶのが、3次元世界の特徴とは言え、もううんざりだ。
そうした世界を作ってきた「闇の勢力」や、カネと地位に目がくらんだ輩たちの消滅が待ち望まれるところだが、どうやら、彼らの世界にも分裂が起き、思い通りにいかなくなって来ているようなので、残された最後の一厘(いちりん)の力によって、地球の再生がより良い形で行われることを願うところである。
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