先週末の11月6日には北海道では各地で大雪となり、札幌市中央区では23センチの降雪を記録した。 札幌管区気象台によると、観測を始めた1953年以降、11月上旬としては最多の降雪であった。 本島や九州では暖かな日が続いていただけに少々驚かされたが、世界に目を転じると、
寒いエリアと暖かいエリアが両極化して来ているいるようである。
ヨーロッパ大陸の北欧やロシアからは例年にない厳しい寒さと激しい雪の便りが届いている。 特にスエーデンでは11月としては記録破りの寒さと
116年ぶりの大雪に見舞われており、まるで真冬のような状況と化している。
またロシア各地も平年に比べて10度ほど低く、氷点下以外のエリアがほぼないという極めて厳しい「早い冬将軍」の到来に見舞われており、氷点下
30℃以下の場所もいくつか出てきているようである。
またロシア極北のオビ湾の沿岸には、大変な数の「氷の玉」が漂着している(下の写真参照)。 これは極めて低い気温と強い風が作り出した現象である。
英国やオランダ、デンマーク、北欧三国など北海に面した国々は、緯度からするとアラスカ並みの厳寒に見舞われて当然であるが、過ごしやすい気候となっているのはメキシコ周辺から流れてくる暖かいメキシコ湾流によって
、暖められているからである。
しかし、海底油田から噴出した原油でメキシコ湾一帯が覆われて以来、そのメキシコ湾流の流れが滞って来ているため、気温が下がり雪の量が多くなる状況が続いている。 昨年と同様、
今年もまたメキシコ湾流の流れが停滞するようなら、英国や北欧をはじめ、北部と西部の全域にわたって激しい寒さと大雪に見舞われることになりそうである。
一方、ロシアの寒波は北極圏の寒気団が押し寄せているためであるが、ここ数年前から大気の流れの波が南北に大きく張り出してきているため、ロシアの南部地域も北部並みの厳しい寒気に見舞われることが多くなって来ている。 この調子では
今年はヨーロッパからロシアにかけ例年にない寒い冬となりそうである。 中国や日本の北部もその影響を受けるため、夏に異例の台風の襲来を受けた北海道は
、厳しい寒さと大雪に見舞われることになるかもしれない。
スエーデン・ストックホルムの大雪