急拡大する米国と欧州のコロナ禍
米国では感染者1170万人、死者25万人、
日本の100倍超え
米国では50州の内、49の州で感染者の数が増加しており、10万人を超える日が2週間に達し、累計で1200万人に達しようとしている。死者数も昨日は1500人を突破し累計で25万人を超えてきている。
上の表をご覧いただければお分かりのように、ヨーロッパの国々、中でもフランス、スペイン、イギリス、イタリア、ドイツもこの1週間ほど感染者数と死者数が急拡大しており、人口が我が国の半分以下でありながらその数は20倍、30倍に達している。
こうした要因はマスクを着用しない人々が多いことと、大人数の集会が行われていることであるようだ。米国アイオワ州の女性知事はマスクの着用を毛嫌いして、自身もマスクなしで過ごしてきたが、感染者の急増で、とうとうマスク着用を義務化することに踏み切ったようである。
こうした状況の中で一番の心配は、医療体制が限界に達している地区が数多く出てきていることで、医療現場からは患者の受け入れが限界に達しているとする声が上がっている。体が疲労に耐え切れず看護師を止めることになった米国の女性の医療従事者は、市民に対して感染防止に真剣に取り組んで欲しいと、涙ながらに訴えていた。
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厳しい状況にある夫を見舞う妻 |
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トランプ大統領の信じ難い言動
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アフガニスタンには4500人、イラクには3000人の兵士が駐留している。
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そうした状況が続く中、トランプ大統領は相変わらず感染防止に真剣に取り組む姿勢を見せておらず、アフガニスタンとイラクに駐留している部隊7500人の内から、5000人の兵士の撤退を発表。これに対して与党の共和党の議員からも強い反対が出ている。
タリバンやISなどのテロリストが再び勢いを増しかけているため、急激な撤退は彼らを勇気づけ、また急速に撤退すれば、戦場に残した兵器を彼らに使われることになるとする懸念の声が上がっているのだ。
さらに驚いたのは、イランの核施設への攻撃を行おうとしたことである。これには側近のペンス副大統領やポンペイオ国務長官などから強く反対され、何とか発令を出さずに済んだようであるが、欧米の6カ国とイランとの間で締結された核合意から脱退した上に、さらに、このような行動を行ったら、次期の大統領・バイデン氏がイランとの国交を再開することが一段と難しくなってくることは間違いない。
トランプ氏がこうした行動に出る裏には、自身の手で兵士の撤退という実績を残し、また在任中にイスラエルに対峙するイランから核兵器の製造力を一気に奪うことによって、イスラエル人やユダヤ系の富豪者から称賛を浴びたいとする気持ちがあることは、間違いなさそうである。
米国にはまだ多くのトランプ氏を支持する人々がいるようであるが、こうした一連の行動を見ていると、残念ながら、国や国民のためというより、自身のための行動と考えざるを得なくなってくる。
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トランプ大統領が求めたイランの各施設への攻撃
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