トランプ政権が新政権に残した「負の遺産」
コロナ感染拡大とイランの核開発
促進
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600万人が異動した感謝祭。今その結果がコロナ禍の拡大となって表面化。 |
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米国のコロナ感染者数がとうとう1500万人を突破。死者数も29万人と30万人にあと一歩と迫ってきた。驚くのは最近の1日の
最大感染者数
(20万人超)と最大死者数(2700人超)が、我が国の1年分の累計を上回る勢いとなっていることである。
しかし、その数値は予想された数値でもあった。なぜなら、先月23日から始まった感謝祭において、600万人を超す人々の移動が行われており、テレビに映る空港での多くの旅行客には3密が守られていなかったからである。
これから先、クリスマス休暇や年末年始でも同様な状態が続くことになれば、医療専門家が心配しているように感染者数、死者数共に急増し、春までには累計の感染者数は2500万人、死者数は45万人を突破する
ことになるかもしれない。
もしもそうなった時、何より心配なのは医療現場の崩壊である。現段階でも州によっては相当厳しい状況となっており、急遽、入院施設を建設しているようであるが、治療や介護に従事されておられる方たちの肉体面、精神面も心配である。
それともう一点心配なのが、外出制限が厳しくなった時、市民の中で広がる不安と不満である。全米で最大の人口のカリフォルニア州では、80%の住民に外出制限令が発令されたようである。トラブルが発生することなく無事発令が解除されることを願っている。
コロナ禍を軽視して今日の事態を招いたトランプ大統領は1月に退任する際に、どんな思いで大統領府を去ることになるのだろうか。先ほど伝えられたABCニュースによると、大統領の顧問弁護士で大統領の言動を強く支持してきたジュリアーニ氏が陽性となり、入院することとなったようである。年齢が76歳なので少々心配である。
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ジュリアーニ氏のマスク姿はトランプ大統領と同様、見たことがなかった。お二人は
マスクの必要性を身を挺して国民に知らしめる大役を担っておられたのかもしれない。
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トラン氏が在籍最後の1年でもたらした負の遺産はこれだけではない。極端な親イスラエル
、反イラン政策によってイランの核開発を促進させ、核保有化を推し進めるところとなったことも、負の遺産として次期政権に引き継がれることとなりそうである。
イランの核開発を抑えるために2015年に米英仏独中露など6カ国とイランで結ばれたのが「パリ協定」であった。
そしてそれは順守されてきていた。しかし、トランプ政権は昨年11月にそのパリ協定から一方的に離脱する一方、イランからの原油購入を禁止するなどイランに対する様々な
経済制裁を課してきた。そして直近、イスラエルと手を組んで行ったのが核開発施設への爆撃や、核開発を主導してきた科学者2人の暗殺行為であった。
こうした一連の反イラン、親イスラエル政策によって、反米を主張するイランの保守強硬派が勢いを強めるところとなり、今月2日には、「核開発を拡大させる法律」を成立させ
、核兵器に必要な高濃縮ウランを短期間で作る準備が一段と進む状況となったのである。
現段階で既に、ウランの濃縮度はパリ協定の核合意で定めた制限値の3・67%を超えて4・5%に達しており、貯蔵量も制限値の12倍の2443キロに達している。この調子で進むようなら遠からずして
イランは新たな核保有国となり、中東情勢を一段と厳しくすることになりそうである。サウジアラビアとの対立が強まって来ているだけに心配である。
バイデン大統領の登場によって、こうした流れが早急に撤回できればよいが、そう簡単にはいかないと思われるだけに、先行きが心配である。
読者に置かれてはそうした点を念頭に、イランに関するニュースをしっかり見て頂きたいものである。
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反米を主張する保守強硬の躍進によって核開発が進むイラン。
来年の穏健派のロウハーニー大統領の退任後が心配である。
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