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    インドで行われた、亡命したチベット人らによる中国への抗議デモ
        (2020年10月1日、写真:AP/アフロ)

 
 
 

毛沢東が世界に向けて中華人民共和国の成立を宣言したのは1949年10月。その後、時を置かずして、「チベットを“帝国主義者”から解放するため人民軍をチベットに進攻させる意図があると発表」。 これに対して、チベット政府は「ここには“帝国主義者”などという者は存在しないのだから“解放”に来るには及ばぬ」と反論。

しかし、チベット政府の意向を無視して中京軍はチベット南東部侵攻を開始。当初は市民との交流もあったようであったが、その後、弾圧、蹂躙、虐殺を繰り返して次第に統治を強め、僧院は空爆され、ラマ僧は逮捕銃殺され、抵抗運動をしたものは群衆の前で処刑されるとことなった。

また人民裁判が開かれて民衆が引き裂かれた。 そして両親、雇用主、僧院長を告発することが奨励され、告発された者は侮辱され、殴打され、拷問され、殺された。また仏像は破壊され、経典は便所紙にされ、タンカ(仏画)など美術品は略奪された。

さらに女性たちは「繰り返し強姦され 」僧侶は尼僧と「性交を強いられ」た。拒むと腕を叩き切られ「仏陀に腕を返してもらえ」と嘲笑された。

1959年のチベット動乱で、ダライ・ラマ14世がインドに亡命した後、1959年以前は6000あった僧院は1960年には370にまで激減した。また抵抗する人々は、強制労働に駆り出され、焼き殺された。目に「釘を打ち込まれ」た者もいたと言われている。なんともはや恐ろしいことであるがそれが中国共産党の実体なのである。

 
 

 
 


インドに亡命中のダライ・ラマ14世は、悲惨な状況に置かれた
祖国チベットの現状に、さぞや心を痛めておられることだろう。

 
 

こうしてチベットは中国に併合され、チベット自治区として今日に至っているわけであるが、今もなお中国政府は 統治の実体を知らせないために、外国メディアの取材を厳しく制限し続けている。先日、そんなチベット自治区に入ることが出来た朝日新聞の記者がその現状 の一端を伝えていた。

記者は厳格な宗教管理やダライ・ラマの長期不在で、伝統的な信仰が薄まっている兆しを感じたようである。また、自治区第2の都市シガツェにあるタシルンボ寺では十数人の参拝者が全身を地面に投げ出して礼拝する「五体投地」が行われているのも目にした一方 で、自治区内を移動中、至る所で共産党のスローガンを掲げる看板が目に入ったことも伝えていた。

一緒に記されていたのは、共産党政権と対立を続けているチベット仏教愛好指導者への次のような激しい批判であった。「ダライ・ラマ14世はチベット独立を企てるリーダーで、チベット仏教の正常な秩序を乱す最大の障壁だ」。 無信仰国の人間が言うセリフではない。

また記者が見たものは、政府が住民の職業訓練に注力するためと称して、若者などを集めて訓練している専門施設であった。それはまさに、ウイグル自治区やモンゴルで行っている職業訓練の施設と同様、思想改造や愛国教育が行われる「再教育施設」と同様に感じられたようである。

また幼稚園などでも授業はほぼ中国語で行われており、中国共産党政権はチベット人から文化や宗教だけでなく「言語」まで奪おうとしているようである。それでも、思想の転換が思うように進まないことにいら立った周近平主席は8月に、チベット政策を議論する会議で「チベット仏教が社会主義に適応するように、更なる中国化を推進せよ」と強い指示を発令しているのである。

 
 

 
 


今はグーグルマップからチベットの文字は完全に消えてしまっている。

 
 

米国がイスラエル政府を支援する一方でパレスチナを窮地に陥れていることは、既に何度もお伝えして来ている通りであるが、先般、イスラエルを訪問していたポンペオ国務長官がネタニヤフ首相を同行して、サウジアラビアを秘密裏に訪問しムハンマド皇太子と会談。

その目的は、パレスチナを支援するアラブ諸国のトップに立つサウジアラビアとイスラエルとの友好関係を推進するためであることは明白。そうした行為はイスラエルの地位を高める 一方、サウジアラビアと対立するイランを窮地に陥れるだけでなく、パレスチナ人を一段と厳しい立場に追い込むことになっている。

こうしてユダヤ財閥に支配された覇権国家・米国は更なるカルマを積もうとしているわけであるが、一方の次なる覇権国家を狙う中国も又、 ダライ・ラマ法王の去った仏教国家チベットを占領下において、国民から仏教をもぎ取り、共産主義政策を押し付けることによって新たなカルマを積もうとしているのである。

地球規模の艱難が次々と発生し世界が再生に向かっている中、こして背負えないほどのカルマを積んだ米国と中国は国家崩壊に向かうスピードを一段と加速化しているのである。

 

 

 

 

 




 

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