テレビの「日本百名山」の番組で八ヶ岳の苔(コケ)の写真が紹介されていた。 アップで撮られたその姿を見た瞬間、コケがこんな姿をしているのかと驚かされた。 そこでさっそく、手元にあった野生植物図鑑を開いてみたが載っていない。 どうやら
コケについては、コケ専門の図鑑でないと載っていないようだ
書棚を探したら、以前手にした小冊子、「北八ヶ岳のコケ図鑑」が出てきたので読んで見ると、日本のコケには1500種以上の種類があり、八ヶ岳一帯には485種類が生育していることが記されていた。 私の知っているコケと言えば、岩や石に付着した白色や薄緑色のイワゴケ、立ち枯れた木の幹や倒木に生えるクサゴケ、針葉樹の枝や幹から垂れ下がっている
コケぐらいしか思い浮かばない。(写真最下段参照)
コケに1500を超す種類があるというのにはびっくりしたが、その内3分の1近くが八ヶ岳山麓一帯に自生していることには改めてびっくり。 中でも北八ヶ岳の白駒池周辺の
「白駒の森」は、亜高山性針葉樹林の代表的なコケが観察できる「日本の貴重なコケの森」として知られているようである。
そこで6月の後半、徳乃蔵の休日に「白駒の森」を訪ねてみることにした。
森の中にある「白駒の池」は秋の紅葉が素晴らしく、二度ほど訪ねたことがあった。 そこは我が家から車でおよそ1時間、国道299号線を北に向かって標高2127メートルの麦草峠を超え
た先にある。駐車場に車を置いて、先ずは池に向かって歩く。
前回の紅葉の撮影の際にはまったく気づかなかったが、池までの道中、その周囲を見ると大木や枯れ木、巨石などにたくさんのコケ
が繁殖しているのが見えた。 同じ道を歩いていても関心を向けなければ見過ごしてしまう、まるで人生の一面を見ているようだ。
6月後半から8月までおよそを1ヶ月半、4回にわたって撮影したコケの姿を、4回シリーズで掲載することにしたので、関心のある方はご覧になって頂けたらと思っている。 今回は白駒の森までの道中
で目にとまった何枚かの景観を掲載した。 次回から
様々な種類のコケの姿を見て頂くことにする。