前回の積雪の中を走る小海線撮影の翌日、朝4時起きして新春の富士の姿を撮ろうと山中湖に
向かった。 雪道を走るため、いつもよりは時間がかかるので早めに出る必要があったからである。 富士五湖に浮かぶ霊峰富士の姿を撮るには、青空が広がっていることと、風がないことが不可欠
、それに早起きは欠かせない。
6時過ぎに着いて日の出を待つ。 日の昇る直前、山全体に赤みが射して積雪に覆われた山頂がうっすらと赤みがかって来る時が、
狙い時である。 この日は降雪の直後であったため空気は澄んでおり、風がなく波静かで霊峰富士のお姿が綺麗に水面に映り、最高の撮影日和であった。
日の出の写真を撮り終えた後、
山中湖の近くにある「忍野八海(おしのはっかい)」に向かった。忍野八海は、山梨県忍野村にある湧泉群で、富士山の雪解け水が地下の溶岩の間で、約20年の歳月をかけてろ過され、湧水となって
湧き出た8ヶ所の泉の総称である。
2013年に富士山信仰の名所の一部として世界文化遺産に登録され、観光客も増えているがその多くが中国人観光客。 聞くところによると、中国人には池の中に小銭を投げ入れる癖があるようで、見てみると、池の底
に小銭が貯まっている。 自国の慣習を海外にも平気で持ち込み、透明ですんだ綺麗な泉を台無しにする彼らには困ったものだ。
帰り道、甲府盆地の中にある高台に立ち寄ることにした。 そこからは南アルプス連峰が展望できるからだ。 掲載した最下段の写真を見てもらえれば分かるように、雪に覆われた幾つもの峰々が連なった輝く
山並みが見える。
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南アルプス連峰は正式には「赤石山脈」(あかいしさんみゃく)と呼ばれるが、この連峰の北の端にあるのが私の書斎から真っ正面に見える「甲斐駒ヶ岳」である。 甲斐駒より南に位置しているのが、富士山に次ぐ高さを誇る標高3193mの「北岳」と3190mの「間ノ岳」
(まのだけ)。
「標高ベスト100」などのブログで調べてみると、日本で3番目に高い山は3190mの「奥穂高岳」と「間ノ岳」が並んでいる。 しかし、資料によっては「間ノ岳」は3192
mと表示されているものもある。 世界のどの山も年々、高くなったり低くなったりしているようであるが、「間ノ岳」は高くなる速度が他の山に比べて早いようで、最新のデーターでは「奥穂高岳」を抜いて単独3番手になっているようである。
「北岳」と「間ノ岳」は連なっているから、北岳も同じスピードで高くなっているのではないかと思われるが、もしも北岳の高さが変化ないようなら、わずか1センチの差なら10年もしないうちに、「間ノ岳」が
「北岳」を抜いて富士山に次ぐ、我が国で2番目の山になるかもしれない。
読者の中には、2番目、3番目の山の高さが2〜3センチの間で争っていることなど、ご存じない方もおられるかもしれないが、この機会に
頭の片隅に入れておかれたらいかがだろうか。 ところで「日本標高ベスト100」に入っている山の所在県ベスト3は、どこの県だと思いますか? 1位が63
個の山を持つ長野県で、2位が26個の山を持つ富山県、そして3位が21個の山を持つ静岡県である。
静岡県と言えば「三保の松原」の海岸風景を思い出す方が多いのではないかと思うので、山の数が3位というのには驚かれたのではないだろうか。 因みに「山はあってもヤマナシケン」と言われている我が郷里
・山梨県は、20個の山を持ち静岡県に次ぐ第4位である。
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ところで、日本一高い山は誰もが知っているが、「日本一名前の長い山」をご存じだろうか? それは、山梨県の大月市近くにある、14文字からなる標高1990mの「牛奥ノ雁ヶ原摺山」(うしおくのがんがはらすりやま)で、案内板のローマ字表記は26文字に達する。
「空高く飛ぶ雁(ガン)が腹をこするほど高い山」と言うことからつけられた名前のようである。北海道にはアイヌ語からつけられた「エサオマントッタベツ岳」や「コイカクシュサツナイ岳」
、カムイエクウチカウシ山」など12文字の山が3つある。
帰りがけに北杜市の明野町に寄り、その高台から八ヶ岳を展望。 八ヶ岳は東西南北、様々な確度から展望できるが、八ヶ岳山麓の東寄りの明野方面からの展望は綺麗だ。
次回には、反対側の長野県側から見た姿を見て頂くことにしようと思っている。 お楽しみに。
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曙の一瞬 |
私の好きな霊峰富士のアングル
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波が消え、羽の一本一本が
綺麗に湖面に映った白鳥
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左から農鳥岳(のうとりだけ)
北岳、間ノ岳
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八ヶ岳から展望した北岳
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明野方面から展望した八ヶ岳 |
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