2月22日、早朝6時に家を出て長野県の北部に位置する白馬村に向かう。 そこからは鹿島槍ヶ岳(2889m)から白馬岳(2932m)へと連なる
、白銀に輝く飛騨山脈が一望出来るからだ。 家からはおよそ2時間、しかし、途中にも素晴らしい景色が広がっているため、あれやこれやと撮影して白馬に着いたのは10時前。
村には「白馬大橋」や「大出の吊橋」など展望に適した撮影スポットが何ヶ所かある。 白馬大橋からは白馬岳(しろうまだけ)・杓子岳(しゃくしだけ)・鑓ヶ岳(やりがたけ
)の三峰が連なった「白馬三山」が
展望できる。 第三大橋から眺める五竜岳を中心とした景観もまた、なんとも素晴らしい(6枚目の写真)。 雪山を見慣れている私でも、白雪に覆われて白く輝く2800m級の峰々の景観は、見事なまでに心を癒してくれる。 都会暮らしの読者には是非味わって頂きたい絶景である。
実は、この輝く山並みを撮影するために、この冬に白馬を目指したのは今回で3回目。 1月末から2月にかけて訪れた2回は共に雲に覆われ、白銀に輝く姿を見ることが出来なかった。
この辺りは長野県の北部に位置しているため、新潟や富山の北陸地方の気候に近く、八ヶ岳山麓一帯が雲一つない好天に恵まれていても、
現地に着くと天候が一転しているケースが多いのだ。
幸いにも、降雪直後の銀世界を狙った今回の撮影は快晴に恵まれ、素晴らしい景観を目にすることが出来たが、それでも12時を少し過ぎた辺りから雲が広がり、青空を入れた景観は撮影が難しくなってしまった。 風景写真は天候次第。 特に冬山の撮影は天候の変化が激しいため、これはと思ったスポットは急いで撮影しないとチャンスを失ってしまう。
ただ白銀に輝く景観だけが写真の全てではない。 木々が生えた山の中腹や村里のように、曇り空の方が綺麗に撮れる景観もあるのだ。 下の三段目に掲載した3枚の写真は2月13日に訪問した際に曇り空の下で撮影したもので、
内2枚は墨絵風の写真となっている。
特に9番目の写真は私のお気に入りの一枚である。 いずれ徳乃蔵で展示させて頂くことになると思うので、その際には是非ご来館頂き、心を癒して頂きたいと思っている。