「非核化」の具体策出ず、楽観視は禁物
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和やかな雰囲気に終始した南北首脳会談 |
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世界が注視する中で行われた南北首脳会談。 早朝、板門店にある南北の境界線上で握手を交わした後、二人の首脳は韓国側の「平和の家」と野外のベンチで対談し、夜の夕食会を終えて分かれるまで終始なごやかな雰囲気な中で過ごすこととなった。
韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領が北朝鮮系であることもあって、二人の会談の様子は半年前までいつ戦闘が起きてもおかしくないほどの緊張関係にあったとは思えないほど、融和ムードに包まれており、まるで離ればなれになっていた兄弟が出会って、懐かしそうに話し合っているかのような雰囲気であった。
しかし、今回の会談で最も注目されていた北朝鮮の「非核化問題」については、両首脳の共同の記者発表において、ムン・ジェイン(文在寅)大統領からは「核のない朝鮮半島を実現するという共同の目標が確認された」とする発表はあったものの、具体策やその手法、期間等についての発表はなく、また、キムジョンウン(金正恩)委員長からは非核化や対米関係などについての発言は一切行われなかった。
「非核化問題」はこれから先トランプ大統領との会談における北朝鮮側の切り札であるだけに、今回の結果はまさに予想された通りであったということになる。 今後、南北の融和は進んでいく可能性が大きく、隣国日本にとっては喜ばしいことであるが、問題は6月に予定されている米朝首脳会談で、非核化が実現されるかどうかという点である。
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南北の境界線を越えた後、南北首脳は対談場所である「平和の家」に向かう。
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「平和の家」での首脳会談。 その雰囲気は和やかであった。
前回「北朝鮮突然の変貌の真相」でも記したが、キムジョンウン(金正恩)という男は世間が考えているような人物ではなく、頭がよく相当な戦略家で鬼の心も持ち合わせた多面的な人物である。 それだけに三代にわたって行ってきた最重要政策をそう簡単に変えたり、放棄したりする人物ではない。
また、北朝鮮とキム・ジョンウン一族にとって核とミサイルの保持は身を守る最大にして唯一の手段であることを忘れてはならない。 だからこそ、政府の下にある様々な部局とは別に、自国民や世界に知られていない秘密の「39号室」という労働党委員長直属の部署を設け、 そこで集めた多額の革命資金を使って、祖父キム・イルソン以降3代にわたって核とミサイル開発を進めて来たのである。
それだけに私は、トランプ大統領が首脳会談においてキム・ジョンウン体制維持に対する絶対的な保障を与えない限り、非核化の実現は難しいのではないかと思っている。 もしも、非核化の約束が為されたとしても、世界が期待しているように短期間での非核化ではなく、長い時間をかけて行われることになるのではなかろうか。
その間の米国や世界情勢の動きによっては、非核化を中止する可能性は十分にあり得ると思っている。 仮に非核化が実行されたとしても、非核化を進める最中に用意された秘密基地に必要な核爆弾とミサイルが保持されることになる可能性は大である。 北朝鮮の持つスーパーテクノロジーを使ったら、米国や国際社会からの検閲を逃れることは出来るに違いないからである。
そうならないことを願っているが、キム・ジョンウン氏のしたたかさを知ったら、日本のマスコミが伝えるような楽観的見方は出来ないはずだ。 大事なことは、彼が我が身を守るためには、実の兄を犠牲にすることもいとわない、鬼の心を持った男であることを忘れないことである。
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我々は再びこうした光景を見ることはないのだろうか?
わずか数ヶ月前までこの種の核弾頭ミサイルが、何度も
我が国上空を飛行していた事実を忘れないことである。
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