プラスチックによる海水汚染の危機
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プラスチックによる海水汚染の危機

北極海の氷から大量の
      「
マイクロプラスチック」発見

 
 

 
 


北極海に浮かぶ流氷 (2002年に北極を訪ねた際に撮影)

 

 
 

 
 

 

北極で海氷を採集する研究者 (以下は「ドイツZDF」テレビより)

 
 

ヨーロッパの海洋調査研究者や生物学者から、プラスチックの使用に対する警告が発せられた。 北極海の氷の中から大量のプラスチックの粒子(マイクロプラスチック)が発見されたからである。

ここ数十年、世界中で大量に使われるようになったプラスチック。 透明性もあり軽量であることからペットポトルや食器類、化粧品の容器などに幅広く使われるようになったプラスチック。 問題はこれらのプラスチック が使用後に回収され、正しく処分されているわけではない点である。

中国をはじめ先進国以外の国々では、その多くは一般ゴミと一緒に廃棄されており、その大部分が近くの川を経て海へと流れ込んでいるのだ。  先進国とて、100%リサイクルされているわけではない。 こうして海岸に集まった様々なプラスチックはやがて沖合に向かって流され大西洋や太平洋を漂うことになる。 

問題はその後の行方である。 それらは直射日光や波によって細分化され、微細な粒子状となったプラスチック、つまり「マイクロプラスチック」 となって海底に沈んだり、海流に乗って移動していくのだ。

そうしたマイクロプラスチックの行方を調査していた研究者たちは、北極海に浮かぶ海氷から採集した氷の中から大量のマイクロプラスチックを発見するところとなった。 それらは北太平洋環流によって北極海に流れ込んできたものであった。 

そしてその量は、海水1リットルの中に1万2000個。 普通の河の水には数百個しか含まれていないことを考えると、その量の多さが尋常でないことは一目同然。 調査にあたった研究者たちの驚きは大変なものであったようだ。

 
 

 
 


海岸沿いの海底には生活用品のゴミが大量に流れ込んでいる。
その中でプラスチックは軽いため海面を漂い、直射日光や荒波によって微細な粒子となっていく。

 

 
 

 
 


そうして出来たマイクロプラスチックは北太平洋環流に乗って北極海へとたどり着く。

 
 

人類に危害を及ぼすマイクロプラスチック

 

今回はたまたま北極海の氷の中から発見されたわけであるが、何処の海とて詳しく調べたら同様な結果が出ることは間違いない。 74億の人間によって使われ廃棄されたプラスチックの多くは、世界中の海の中を漂っているのだから。 そして太平洋や大西洋などの海底に沈んだマイクロプラスチックは、やがてそこを生活圏とする小魚の口に入ることになるのだ。

小魚に食べられたマイクロプラスチックは小魚の胃の中で消えるわけではなく、小魚を餌にする中型種から大型種の胃の中へと移動していくことになる。  その結果、こうした食物連鎖によって広がったマイクロプラスチックを最後に我々人間が食することになるのだ。 そうして人間の体内に入ったマイクロプラスチックが、人間の健康にどのような影響を与えるか詳しいことはまだ分かってはいないものの、悪影響を及ぼす可能性は大である。

だとすると、使用済みのプラスチック類の回収とその処分が十分になされていない現状を考えたら、学者が発する警告を重く受け止めて、プラスチックそのものの使用を急ぎ止めねばならなくなってくる。 プラスチックの回収と正しい廃棄処分が行われているのは先進国だけ。 そしてその何十倍もプラスチック類が発展途上国で使われ、そのまま放棄されているのだ。

中国では、日本などで使用済みとなったプラスチックを大量に輸入して再生し、利用している。 そうして使われた後に廃棄されたプラスチック類の多くは放棄され 続けている。 それらはやがて河に流され、海へと流れ着く。 だとすると、日本海は大変な量のプラスチックの廃棄場と化し、細分化されたマクロプラスチックは小魚から大きな種に取り入れられ、やがて我々日本人の食卓に乗ることになる。 なんとも恐ろしいことである。

 
 

 
 


今回の北極海の氷の分析にあたった生物学者は、
その実態に驚きプラスチックの製造の中止を訴えていた。

 
 

EU、一部のプラスチック製品の使用を禁止へ

 
 

 
 


我が国でも日常的に使っているプラスチック製品、
EUでは法改正を行って使用禁止にすることになりそうである。

 
 

先日のドイツZFDテレビは、このマイクロプラスチック問題を重く見たEU(欧州連合)が、使い捨てのプラスチック製品の使用を禁止する方向で、対策に取り組むことになったことを伝えていた。 使い捨てのプラスチック製品というのは我々日本人もよく使っている上の写真のような食器類や子供のおもちゃ類などである。

EU諸国で海に捨てられているプラスチックごみは年間で50万トンに達しており、そのうちの約70%が使い捨てのプラスチック製品だという。 EU諸国はプラスチック類のリサイクルはかなり進んでいるはずだが、その率は40〜50%程度に留まっているようである。 

EU(欧州連合)はこの数値を90%まで上げるために法改正を行うこととし、2019年中にはプラスチック製造禁止法案の可決を目指すことにしたようである。 我が国のリサイクル率はどの程度まで出来ているのだろうか? 私 が調べてみたところ1998年のデーターしか見つからなかったが、EU諸国と同様、45%位に留まっているようである。 

その後、数値が改善されていればよいのだが、それほど高い数値ではないと思われるので、我が国もEUを見習って急いで法改正に取り組む必要がありそうだ。 国会での無駄な論議は止めて、政治家にはこうした問題に真剣に取り組んでもらいたいものである

 
 

 
 


海岸に打ち寄せられたプラスチック廃棄物。 

見た目に汚らしいというだけではないのだ、それらはマイクロプラスチック
と化して、やがて我々の体内に入り甚大な危害を及ぼすことになるのだ。

 

 
 

 
 


やがて海に流れ出し、しばらく漂っていた後、直射日光や
波によってマイクロプラスチックと化していく。

 

 
 

 
 


こうして地球は愚かな人間によって大陸から海、地殻内部に至るまで、汚され、破壊され続けて
いるのだ。 今地球が地軸傾斜によって新しく生まれ変わろうとしているのはそのためなのである。

 

 

 

 




 

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