米国南部テキサス州の高校でまたもや銃乱射事件が発生。 高校生10人が死亡し10人が負傷。 事件の起きた高校はテキサス州最大の都市ヒューストンから南東に約50キロ離れた人口1万人ほどの小さな町。 犯行に及んだのは同じ高校の17歳の男子生徒で、アメリカンフットボウルの選手。 使用された銃は父親の所有するショットガンであった。
米国では今年に入ってから、学校での銃撃事件は1月と2月に発生している。 1月の高校生2人が犠牲になった南部ケンタッキー州の事件と、2月の南部フロリダ州で発生した高校生と教師17人が犠牲になった事件である。 フロリダ州の事件は読者も記憶しておられることと思うが、この事件を受けて、3月には被害にあった高校の生徒たち自らが大規模なデモを行い銃の規制を訴えたばかりである。
フロリダのデモからわずか3ヶ月、またもや10人の死者が出る銃撃事件が起きたのだ。 3月のデモは首都ワシントンの通りを埋め尽くすほどの大規模なデモとなったのにもかかわらず、トランプ政権はこれと言った対策はなにも行っていない。 11月の中間選挙で、銃の製造や販売している会社からの支持を得るため、手を打てないでいるのだ。
4月に行われたABCテレビとワシントン・ポストによる、殺傷能力の高いライフル銃の販売禁止に関しての電話調査では、反対と賛成がほぼ互角であった2月の調査に比べて、反対者は11%減って35%、支持者は12%増加して62%となっている。 しかし、それにも関わらず銃規制は進捗せずにいたところ、またもや高等学校内での銃乱射事件発生となってしまったのだ。
目に見え始めた「衰退する国家の姿」
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トランプ大統領はイスラエルを擁護するためイラン核合意から離脱。
世界中から大きな非難を浴びることとなった。
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トランプ大統領の自国第一主義に愛想を尽かした
EUのトゥスク大統領からは、「最大の皮肉発言」が為された。
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大統領をはじめ政治家がおのれの保身のために、為すべきことを為さずにいる限り事態は改善されぬまま続くことになる。 教育の場である学校での銃の乱射事件など、何処の国でも起きたことのない惨事だ。 これもまた米国と言う国とそこに住む国民の背負ったカルマなのだ。
トランプ政権が掲げる自国第一主義は、言うならば自分さえよければ他国のことなどどうでもよいということだ。 パリ協定やイラン核合意から離脱、さらには貿易に関する関税は好きなようにかけ、それに従わない国や企業には制裁を加える。 これは世界の盟主のやることではない。 今や世界はトランプ大統領に振り回され混乱状態と化して来ている。
イラン核合意からの離脱やエルサレムの首都認定などで、アラブ諸国から一致した反発が出ないのは、まだ経済的、軍事的に支援を受けているためである。しかし、これから先、隠し通してきた超巨大債務の実体が明らかになり、米国経済の崩壊が始まり、他国への支援が出来なくなったら、各国は手のひらを返すように一斉に離れていくことは明らかだ。
先日行われたEUの首脳会議後に為されたEUのトゥスク大統領の驚くべき皮肉発言は、いかに欧州各国が昨今のトランプ大統領の一連の自国第一的政策に、怒りと軽蔑を向けているかが分かろうというものである。
「ヨーロッパはトランプ大統領に感謝しなければならない。 なぜなら、トランプ大統領は我々の幻想を取り除いてくれたからだ。 助けが必要でも自分の力で解決しなければならないと、気づかせてくれたのだ」
今回の学校における銃乱射事件だけでなく、一連のトランプ大統領の手前勝手な政策の推進、さらには日に日に頻度と規模を増す自然災害、航空機や鉄道、バスの大型事故 ・・・・・ 米国はこれから先、更なる混乱と衰退に向かうことになりそうである。