スイスが150年ぶりの異常に少ない降雪量と降雨量に見舞われているのとは反対に、本来雨の量が極めて少なく降雪など滅多に見ることのないサウジアラビアの砂漠地帯が、豪雨や降雪、降雹に見舞われたニュースを、12月9日付けの「尋常でなくなって来た世界の気候」でお伝えしたばかりである。
今度はそのサウジアラビアの砂漠で一面が緑化し、牧草が茂り、花が咲き乱れる異常な光景が広がり始めている。 読者は2015年11月9日付けの記事
「チリ砂漠の異変」
に掲載された、チリ、ペルー、ボリビア、アルゼンチンに跨がる標高2000メートル地帯の、世界で最も乾いた場所とされる「アタカマ砂漠」が花園と化した光景を覚えておられるだろうか。
それとまったく同じ光景が、今度はアタカマ砂漠とは正反対に位置する、サウジアラビアの聖地巡礼地として有名なメッカの近くにある砂漠地帯で広がり始めたのである。 どうやら、11月から12月にかけて、砂漠地帯を「大海原」と化した記録的な豪雨がもたらした現象のようである。
実は1年ほど前のアタカマ砂漠の花園化も、それより半年ほど前の2015年3月に、チリ一帯を襲い約30人の死者を出した歴史的な豪雨による洪水がもたらしたのではないかと言われている。 まさに、今我々の住む地球上では、中東のアラビア半島と南米高地の砂漠地帯が前代未聞の豪雨に見舞われ、その後に砂漠一帯が花園と化すという、なんとも信じ難い現象が発生し始めたようである。
今回のサウジアラビアの砂漠地帯の豪雨による洪水とその後の花園化は、北米や欧州、ロシア、中国、南アジア、オーストラリアと広がって来ている異常気象が、完全に地球的規模の現象と化してきていることを伝えている。 もはや地球
全体の気象が従来の常識が通用しない、異常な状況と化して来ているのだ。