米フロリダ州フォートローダーデールの空港で6日午後1時(日本時間7日午前3時)ごろ、連続銃撃事件が発生。 地元保安官によると、5人が死亡し、8人が負傷して病院に運ばれた。容疑者は現場で逮捕されたものの、その後も混乱が続き、空港は閉鎖された。
事件が起きたのは、飛行機から降りた人が機内に預けた荷物を受け取る手荷物受け取り所の付近で、目撃者の話によると、ドアから入ってきた容疑者は無言のまま短銃を使って発砲を繰り返し、至近距離から被害者の頭部を狙って撃っていたようである。
現場では走って逃げる人びとなどで騒然とし、混乱が続いた。 犯人は何度か弾倉を詰め替えた後に、銃弾が切れたのか、地面に寝そべった状態で警察が到着するのを待ったという。 また容疑者は米軍の身分証明書を所持していたというから、軍人であったようだ。
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犯人に向かい合う警官
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ニューヨークでは、またまた列車脱線事故
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多数の負傷者が出て混乱するニューヨーク近郊のホーボーケン駅付近
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一方、ニューヨークでは、4日早朝、またまた通勤列車の脱線事故が発生。 事故を起こしたのはロングアイランド鉄道の列車で、駅に到着した際に、ホームに止まらずそのまま走り抜け、車両止めブロックに衝突。 600人ほどの乗客の中で幸い死者は出なかったが、103人が負傷する大規模な脱線事故となった。
およそ3ヶ月前の昨年9月29日、ニューヨーク近郊のホーボーケン駅で1人の死者と114人が負傷する大規模な列車事故が発生したことは「米国でまたもや列車事故」でお伝えした通りであるが、この事故も今回と同様、スピードをまったく落とさないままホームに進入し、車止めを乗り越えて大破する事故であった。
米国では北東部を中心にここ数年、列車の衝突事故や脱線事故が驚くほど多発してきている。 事故の発生の頻度は、
大小合わせると1日あたり3件、1年間で1000件近くに達しており、事故を伝えるテレビのニュースキャスターが、「信じ難いほど頻繁に起きている」と語っているほどである。 この数値は、いくら国土面積が広い米国と言えども異常である
ことに変わりはない。 一昨年の2015年5月14日付けの記事「米国・列車転覆事故」で、米国ではこれから先、自然災害がその規模と頻度を増してくる一方で、今回のような列車事故や航空機の大規模な事故も多発してくることだろう、と記した
が、読者は覚えておられるだろうか。
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混乱するアトランティック・ターミナル駅付近 |
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この2年間を見ただけでも、2015年6月のテキサス州・ヒューストン西部での貨物列車9両の脱線事故(「米国の惨状」)、7月のテネシー州の東部
での脱線・炎上事故(「列車事故と猛暑」)、さらに
2016年4月のニューヨークからジョージア州・サバンナに向かう列車の大型のクレーン車両との衝突脱線事故(「相変わらず続く米国の事故と災害」)、9月のニューヨークの脱線事故「米国でまたもや列車事故」、10月のボストンの地下鉄車内で煙が充満した事故「米国で今度は地下鉄事故」と相次ぎ、2017年早々、今回の事故となったのである。
私が、こうした一連の列車事故のニュースを書くたびに思ったのは、「事故の要因は、運転手の精神的
トラブルと思われるものや、安全基準の遅れによる線路の整備不良や天災など様々な要因があるようだが、これ
だけ事故が多発している背景には、そういった個々の要因とは別に、
米国という国家が衰退に向かっているという大きな流れが潜んでいるのではないかという点であった。
どうやら、私の心配してきた通り、こうした流れはもはや止めることの出来ないものとなって来ており、これから先、飛行機事故や自然災害などを含めて、ますますその頻度と規模は増すことになりそうである。 そうした国家衰退の兆候は、20日に就任するトランプ大統領の登場によって国論が完全に二分された上に、さらに彼の過激な発言が不満を抱く若者を刺激して、昨日発生したような銃の乱射やテロ行為なども多発させることにもなって来ているのだ。
トランプ大統領の登場で揺れる米国の近未来については、また日を改めて記す予定であるが、EUから離脱した英国と同様、覇権国家米国が日に日にその威光が薄れ、国内の乱れが多発して来ることは確かなようである。 |