先日「沙漠の花園化更に広がる」でサウジアラビアの首都リヤド近郊の砂丘地帯が花園と化した記事を掲載したばかりだが、今回は
砂漠の花園化が米国にも広がっているニュースをお伝えする。 今回の花園化の場所は米国の東海岸・カリフォルニア州に広がる二つの砂漠。 その一つが州立公園内のアンザ・ボレゴ砂漠で、その一角が見事に花園と化した光景が上段の写真である。
アンザ・ボレゴ砂漠では十数年に一度位のペースで、花が咲き乱れることがある様だが、CBSニュースによれば、今年のような大規模なの規模のスーパーブルーム(ふだん花が咲かない場所に花が咲き乱れること)は大変に珍しく、公園管理局のスタッフたちの記憶でも、少なくとも
1999年に起きたスーパーブルームと匹敵するか、それ以上ということのようである。 言うならば数十年に1度の珍事と言うわけだ。
これまでに何回にもわたってお伝えしてきたが、カリフォルニア州一帯はここ数年にわたって極端に雨量の少ない状況が続いて来ていた。 しかし、今年の冬は各地で集中豪雨に見舞われ干ばつから一転して洪水の被害が広がった。 どうやらその集中豪雨が今回のスーパーブルームをもたらしたものと思われるが、それにしても見事なまでの花園化である。
砂漠化のもう一つは通称「死の谷」と呼ばれるカリフォルニア州のデスバレー州立公園内の砂漠での出来事。 デスバレーと言えば上の写真を見たら、沙漠の中を大きな石が動き回る不思議な現象を思い出された方もいるかもしれないが、その謎もどうやら解き明かされつつある様だ。
デスバレー国立公園内には過酷な砂漠環境に適応した動物や植物が生息しているようであるが、咲く花は乾燥気候に強い特殊な花で、それも一面に広く咲き乱れるようなことはないのが普通。 ところが、昨年の2月に上に添付した写真のように、綺麗な花園が誕生している。
そして今年は3月に再び、下に掲載したように見事なまでに花園と化し、公園を訪れる観光客の目を楽しませるところとなっている。 滅多に見られない花景色が昨年に続いて2年連続で見られるところとなったわけだが、今年の花園化は昨年以上でかって見たことのない程見事なもので、今年の冬の気候がいかに異常であったかを示している。
豪雨は野生の花の種子から保護コーティングを洗い流し、それらを発芽させるために必要なもの、といわれていることを考えると、乾燥化が続いていたカリフォルニア一帯に秋から冬にかけて
降った豪雨がその役割を果たしたことになる。 また、砂漠の周辺に連なる山脈には大雪が降ったがその雪が熔けて流れ下って土地を潤わせたものと思われる。 それにしても不思議な現象だ。
いずれにしろ、飲み水に事欠き、庭に散布する水の量も制限されて、市民の多くが芝生の代わりに、砂漠に咲く花を植え替えるまでに至っていたカリフォルニアに、それだけの雨をもたらした豪雨はかなり大規模なものであったことは確かである。 それは今アメリカという国が「干ばつ」と「洪水」という両極端な気候変動に見舞われいることを物語っている。 そしてそれは、
地球の明日の姿を見せてくれているということでもあるのだ。