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オランダではトルコ閣僚の入国拒否と集会の禁止で、トルコ人による抗議行動が発生
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トルコでは今、憲法を改正する国民投票が実施されようとしている。 それは、国の行政の主な権限を首相に委ねている現行憲法を改め、首相のポストを廃止してその権限を大統領に集中しようとするものである。 つまり、政治権限の集中化でエルドアン大統領による強権政治を一段と推し進めようというわけである。
この国民投票で賛成票を獲得するために今トルコ政府が推し進めているのが、国外に住む550万人のトルコ人に対する働きかけである。 そのため閣僚クラスがヨーロッパ各国の集会に参加し、政府の方針をアッピールしようとしているというわけだ。
しかし、その動きを快く思わないヨーロッパ各国は、集会の禁止や閣僚の入国を禁止する措置を取り始めている。 その結果、トルコ政府との関係悪化が進んでいるのがドイツであることは、先日「トルコとドイツ更なる関係悪化」でお伝えした通りである。
その後、同様な動きが他国でも発生しており、今朝のイギリスBBCニュースはオランダやオーストリア、スイスなどでも閣僚の入国を拒否する事態が発生したことを伝えている。 その結果、チュウシュオール外相とカヤ社会政策相の入国を拒否したオランダでは、集会に集まったトルコ人による抗議行動が行われ警察とのトラブルに発展している。
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集会でオランダ政府に対し厳しい発言をするエルドアン大統領
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これに対してエルドアン大統領は集会で、「オランダはナチスの残党だ! ファシストだ!」とドイツ政府に投げかけたのと同じ、ナチスを引き合いに出した厳しい発言を行っている。それを受けて、オランダを始めとする各国から一斉に批判の声が上がっており、トルコ政府と各国政府との関係悪化は避けられない状況となってきている。
トルコでの国民投票は4月18日が予定されているが、国外在住者の投票は今月末から行われるため、各国における集会やそれに参加する閣僚級の入国は加速されることが予想される。 それだけに、これから先、他のヨーロッパ諸国においてもオランダにおける抗議行動と同じトラブルが発生する可能性は大きそうだ。
その結果、EUとトルコとの関係が更に悪化することになれば、難民・移民問題は振り出しに戻る可能性が高く、EU諸国は一段と困難な問題に直面することになるかもしれない。
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