難民や中東・アフリカなど数カ国の国民の入国を禁止する大統領令が、ワシントン州とハワイ州の2つの裁判所で違憲とされ、無効となったのはご承知の通り。 そして、数日前には医療保険制度改革(オバマケア)の撤廃・見直し案が、国会の審議にかけることが出来ずに廃案となってしまった。 トランプ大統領の面目丸つぶれである。
これらは先の大統領選の主要な公約であっただけに、トランプ政権の実行力に疑問の声が上がり、政策の先行きに懸念が広がりつつあるところだが、昨日、大統領は失墜した面目を回復せんと、次なる手を打つところとなった。 それは、オバマ政権が進めてきていた地球温暖化対策を、全面的に見直す大統領令への署名であった。
今地球が温暖化に見舞われており、海面上昇など地球の先行きに懸念が広がっていることは、読者も先刻ご承知の通りである。 その温暖化の要因は二酸化炭素(Co2)によるものとされ、今、世界各国がその削減に向かって動き出している。
温暖化の要因が二酸化炭素の排出だけに絞られていることには疑問があるが、要因の一つであることは間違いないと思われる。 したがって地球の大気を汚し、気温上昇に向かわしている二酸化炭素の排出を抑えることが重要であることは確かだ。 だからこそ温暖化対策の柱であるパリ協定に、世界で最も排出量の多い中国と米国が、遅まきながら参加することになったわけである。
ところが、そのパリ協定が本格的に推進されようとしている今、米国は温暖化対策を全面的に見直そうというのだから驚きだ。 これから先、トランプ大統領の意向通りに事が進むことになれば、511箇所ある米国の石炭火力発電所は、好きなだけ二酸化炭素を排出することが出来ることになる。
そうなれば、石炭は大気を最も汚染する燃料だけに、汚染の度合いが今以上に広がることは確かだ。 実は今回の大統領令によって汚染化されるのは大気だけではないのだ。 温暖化対策の見直しはシェールガスの開発規制も廃止することになり、それは地下水の汚染を一層増すことになるからだ。
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大統領令が実行に移されれば石炭火力発電所から
放出される二酸化炭素の量は一気に増加する。(フランスF2)
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シェールガスの開発規制も廃止され、地下水の汚染も一層強められることになる。
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更なるカルマを積む米国
このように、大統領令は米国内のエネルギー生産を妨げる全ての環境規制・政策を見直すというものだけに、その影響は大きい。 それでは、トランプ大統領はなにゆえこうした無謀とも思える政策を実行しようとしているのか? それは彼が政策の柱としている雇用対策のためである。
つまり、今回の大統領令によって、炭鉱業界の労働者を増やそうというわけである、 しかし、それには大きな疑問がある。 現在、炭鉱関連の企業で働いている人の数は7万5000人を下回っている。 一方、再生可能エネルギー関連会社の雇用数は今や65万人を超えている。 この数値を見れば、炭鉱関連企業における雇用数の大幅な増加が無理であることが分かる。
もしも、トランプ大統領が発言しているように、炭鉱関連企業における雇用増が大きな数値となったとしたら、米国の空は一段と汚染されることになってしまうことになりはしないか。 地下と地上と大気中で繰り返し行われて来た核実験で、地球を傷つけ、汚染し続けて来たというのに、その上、大気や地下水の汚染を広めることになれば、米国のカルマは更に増すことになり未来は絶望的となる。
これまでの報いが異常気象となって米国を襲っているのを見れば、それは明らかだ。 極端な寒暖差、ハリケーン、竜巻、大雨による洪水、干ばつによる山火事、強風による高潮
・・・・・・ まさに異常気象の見本市と化している昨今の米国の状況がそれを如実に示している。 そして昨日のABCニュースもトップで、テキサス州やテネシー州を巨大なハリケーンや竜巻が襲っていることを伝えている。 この種の情報は今やニュース番組の定番と化して来てしまっている。
かって地球文明を滅亡へと導いたアトランティス系の指導者の下で、発展を続けて来た世界の覇権国家・米国は、こうしていま衰退への速度を一段と速めようとしているのだ。 トランプ大統領がその推進役を担って誕生したと考えれば、予期せぬ彼の大統領当選の理由が分かろうというものである。
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いまや米国国家は巨大な竜巻に飲み込まれようとしている。
昨日テネシー州を襲った巨大な渦巻き状の雲がそれを示している。
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ここ数日、テキサスやテネシー州など多くの州が竜巻やハリケーンに襲われている。
(アメリカABC)
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