チリの砂漠地帯が緑化し綺麗な花園と化したことは2015年11月に「チリ砂漠の異変」で、また、北アフリカのサハラ砂漠が雪に覆われたことや、
サウジアラビアの砂漠で花が咲き始めたことは今年の1月に「サウジの砂漠が花園化」に記した。 読者におかれてはよもや忘れてはいまい。
実は、数日前に伝えられた情報では、同様な現象がサウジアラビアの別の砂漠でも発生しているようである。 世界的な石油産出国であるサウジアラビアは
、上段の添付した衛星写真をご覧頂ければお分かりのように、その
90%近くが砂漠もしくは半砂漠状態(丘陵地帯)という、まさに砂漠の国である。
前回記した、その砂漠の地が花園化した場所は、サウジアラビアの西に位置する有名な巡礼地の一つメッカ周辺の砂漠であったが、今回の花園化の場所は
まったく別の場所で、メッカからはおよそ800〜900キロほど東に離れた首都リヤド周辺の砂丘地帯である。
その辺り一帯は本来、岩肌の丘陵と砂に覆われている場所であるが、最近になって緑化が始まり、場所によってはタンポポによく似た花が一面に咲き誇る状態となって来たようである。 こうした花園化の広がりを見ると、それが特定の箇所に限られたものでないことが分かる。
どうやら「アフリカのサハラ砂漠が銀世界」や「尋常でなくなって来た世界の気候」に記したように、最近の世界的異常気象によって、年間の降雨量が極めて少ないアフリカ大陸北部やアラビア半島で降った大雪や大雨
が、砂丘の下に眠っていた太古の時代の芝や花の種子を芽生えさせ、緑地帯を広げ花を咲かせ始めたようである。
この調子でいくと、世界各地の砂漠の幾つかは太古の昔の状態に戻り、草花が咲き木が生い茂るような状況に後戻りすることになるのかもしれない。 そうあって欲しいと願うメッカやリヤドの人々は緑化や花園化に期待をかけているようであるが、そうした状況とは反対に、中国のように耕地が粗末に扱われた結果、野菜畑が砂漠化しつつ場所もある。