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マグロの都と呼ばれるフィリピンのナボタス漁港に水揚げされるキハダマグロ。
いま南シナ海では乱獲によりマグロが急激に少なくなって来ており、漁場が
崩壊すれば、中国との領有権争いは再び火を噴くことになるかもしれない。
(写真は全て「ナショナル・ジオグラフィック」誌より)
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先日、中国漁船の乱獲と環境汚染によって、「東シナ海」の魚が消えてしまいつつあることをお伝えした。 不思議なことにこの記事を掲載した直後に、「ナショナル
・ジオグラフィック」誌に掲載された同様な記事が、私の目に止まるところとなった。
以前にも記したので覚えておられるかと思うが、最近、私はこうした
「重なり現象」に遭遇することが多くなった。 もちろん私は霊能者でもなければ、特別な霊感を持っている人間でもない。 しかし、
こうした不思議な現象に遭遇するたびに、それには何か大事な意味が秘められているのではないかと思えてならないのである。
今回の「重なり現象」は「東シナ海」や「南シナ海」における中国の乱獲の問題は、私が考えている以上に重要な意味を持っており、
それは近い将来に中国と東南諸国との間の紛争を引き起こすことになる可能性が大きいことを、天が教えてくれている可能性が大きそうである。
事実、「ナショナル ・ジオグラフィック」誌の記事を読んでみると、そこには、中国による乱獲は「東シナ海」だけでなく「南シナ海
」においても広く行われており、「世界最悪レベルの漁場の崩壊」が始まっていることが掲載されていた。 そしてそれは、近い将来に中国と東南諸国との間の対立を引き起こし、やがて「中国対米国」間の紛争へとつながる可能性
が大きいことが記されていた。
フィリピン政府が中国を相手取り、オランダのハーグ仲裁裁判所に領有権に関する訴訟を起こし、裁判所が昨年7月に、フィリピンの主張をほぼ全面的に認める判決を下したことは、既に読者はご承知の通りである。 しかし、中国政府はその判決を一切無視して、
その後も人工島を建設し続け、フィリピンが領有権を持つ海域に入れ替わり立ち替わり漁船を送り込み、乱獲を推進させている。
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領有権争いであれる南シナ海 (クリックで拡大)
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「中国対米国」の軍事衝突に向かう領有権争い
南シナ海は世界的にも重要な漁業の一つであり、370万人以上の雇用の他、年間何千億円というマネーを産み出している海域である。 その漁場でこれから先も
中国による乱獲が続けられたら 、水産資源が減少の一途をたどり、漁業を主力産業の一つにしてきた国々の経済成長を脅かすことは必至である。
今、中国と領有権問題で争っているのは、フィリピンをはじめとしたインドネシア、台湾、ブルネイ、ベトナム、マレーシアなど6ヶ国。
これから先も、中国が領有権の拡大に固執し、他の国々が国際法上に基づいた主張を譲らないなら、
いつまでたっても合意が達成されることは不可能である。
中国政府が沿岸警備を強化し、漁師たちに対して漁船団を武装させ、燃料や高性能の船を購入するための補助金を支給しているのには、前回書いたように14億の民の食料を
輸入に頼らないようにするためであるが、 その背景にあるのが、南沙諸島などで推し進めている領海の拡大と、人工島の建設である。
そうした中国政府の自国中心の振る舞いの一方で、6つの沿岸諸国が中国の力を恐れるあまり、しっかりした対抗措置を取らず、消極的な態度を続けている間に、南シナ海の魚たちは次々と消え
いこうとしているのだ。
既に南シナ海の一部の水域では、水産資源の量が60年前に比べて10分の1以下になっていることを考えると、いずれ領有権問題に火の手が上がる時が来ることは間違いなさそうである。 その時には
我が国も絡んだ「中国対米国」の軍事衝突に進む可能性が大きいだけに心配だ。
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庭先で網を補修するフィリピンの漁師。 彼らが海で
生計を立てていくことが出来なくなる時が近づいているようだ。
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