ロシアで再び反政府デモ
 

 


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ロシアで再び反政府デモ
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強まる政権中枢者の収賄に対する不満と反感

 
 

 
 


モスクワで行われた腐敗政治に対する大規模デモ (ドイツZDF)
 

 

今ロシアでは、共産党政権下ならではの問題が発生している。 プーチン大統領やメドベージェフ首相など政界の中心にいる一部の政治家による収賄と、 その事実を権力をもって押し隠そうとする行為である。 前回「世界は新冷戦時代に突入」で記したように、 現在政権を握っているプーチン体制は盤石な状態にあり、独裁色が日に日に強くなってきている。

2014年に施行された法律によって、公然と政府を批判することが禁じられてしまったため、今やロシアでは大規模なデモや集会は出来なくなってしまって いる。 そうした中、26日にモスクワやサンクトペテルブルグなど各地の数多くの主要都市で、政権トップの腐敗政治に対する数万人規模の抗議デモが行われ、モスクワだけで 1000人を越す逮捕者が出る事態が発生している。 

今回の抗議デモを呼びかけたのは、野党の指導者 アレクセイ・ナワリヌイ氏。 彼は1ヶ月ほど前からインターネット上に現政権を批判する動画を公開している。 その中で、メドベージェフ首相が豪邸や高級ヨットを保有 し、イタリアではワイン畑を持っている実体と、それがロシアの富豪から賄賂(ワイロ)として受け取ったものであることを伝えている。

インターネットへの視聴回数は、ドイツZDF局によると既に1100万回を超えており、それが今回のデモにつながったようである。 ナワリヌイ氏は来年3月の予定されている大統領選挙に立候補することを明言しておるだけに、プーチン氏にとって 彼の存在は目障りである様だ。

 
 

 
 


「プーチンとメドベージェフは富を自分のフトコロに収めている」と不満を語る若きデモ参加者

 
 

ロシアでは今、クリミア半島の独立やウクライナ問題などで愛国主義が高まっているだけに、プーチン大統領の支持率は80%前後に達しており、政権基盤はかってないほど安定した状態にあると言われている。 しかし、欧米諸国からの経済的制裁や長びく原油価格の下落で経済 が低迷し続けており、中間層や若者たちの不満が高まって来ていることも事実である。

中でも収賄行為に対する20代の若者たちの不満と怒りは強く、彼らは共産党政権の真の恐ろしさを知らぬだけに、専制政治や腐敗政治に対する不満や怒りは、これから先、大きなうねりとなる可能性が ありそうだ。 それゆえ プーチン 大統領は、治安維持と称して強権政治化を更に推し進めることになるかもしれない。

問題は国民の不満が大きくなり、人々の関心を外に向けさせる必要が増して来た時に、欧米などに対する政治姿勢を強化させることである。 それを一番恐れているのが 東欧諸国。 特にロシアと国境を接するエストニア、ラトビア、リトアニアのバルト三国とスウエーデン、ポルトガルなどである。 

NATOの米軍兵士3000人が駐留し演習や訓練が始まったバルト三国や、徴兵制を復活したスウエーデンの動きはそのために発生してい るわけであるが、その点については、「米国部隊3500人ポーランドへ」「世界は新冷戦時代に突入」に記した通りである。

そうしたヨーロッパ諸国との間に、最近亀裂が深まって来ているのが、ロシアと同じような強権政治を目指すトルコである。 そのトルコとロシアは シリア内戦においては相反する立場に立っていたはずなのに、不思議なことに、シリアの休戦協定を推進する上で、協力関係が深まろうとしている。

こうした一連の動きは何やらこれから先に到来するかもしれない、ヨーロッパの危機的状況を暗示しているかのようである。 どうやら、ヨーロッパとロシアとの危機のキーマンと なりそうなトルコとエルドアン大統領の動きからは、ますます目が離せなくなって来たようである。 

 
 

 
 


法律によって、公然と政府を批判することが禁じられているロシアで
若者が中心となったこれだけ大規模なデモが行われるのは、若者たちの中に
プーチン政権に対する不満が増大してきていることを示している。

 

 
 

 

 


全国的な抗議デモを組織した野党指導者ナワリヌイ氏を始め
700人が拘束された。来年の大統領選出馬はどうなるか?

 

 




 

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