そんな日本
とは対照的な動きを進めているのがドイツである。 2011年の福島原発事故を受けてドイツは「脱原発政策」を決め、その後6年、原発0を目指して廃炉が進める一方、再生可能エネルギーの開発を着実に進めている。 まさに
我が国とは愚者と賢者の違いである。
海上に設置された風車や屋根に取り付けられた太陽光パネル。 こうした再生可能エネルギーを利用する上で問題なのが、取り込んだエネルギーを「蓄電する技術
」である。 この蓄電の問題を解決しない限り、再生可能エネルギー政策は前に進まない。
電力の安定供給が出来ないたからだ。
そこでドイツが今最も力を注いでいるのが「蓄電技術」の開発である。 ここ数年、国を挙げて開発を進めた結果、蓄電池の小型化と低価格化が予想以上に進んでおり、太陽光パネルと蓄電池の設置する家庭が増えてきている。 その結果、ドイツの発電量の割合は原発は13%と減る一方、再生可能なエネルギーが30%近くに達している。
再生可能エネルギーの普及でもう一つ大事なことは「発電手段の開発」であるが、先般、
ドイツではいま興味深い取り組みが為されていることが報道されていた。 それは、海の風車の建ち並ぶ海底に
、直径30メートルの巨大なコンクリートのボールを沈めて発電する方法である。
電力需要が低い時には余剰電力で
球体の中に設置されたポンプタービンを回して、海水を外に排出。 反対に需要が高い時には、球体の中に
流れ込んでくる海水の力を利用してポンプタービンを回して発電する。
発生した電力は風車で得た電力と合わせて送電することになるようなので、なかなか合理的である(下図を参照)
この海水の出し入れで発電しようとするこの方法は、昨年11月に、実物の10分の1の大きさの3メートルの球体を使って実験が行われ、想定通りの発電量を確認できたとのことである。 これから先、
この球体発電地の実証実験を繰り返し、10年後の実用を目指しているようである。
こうして「原発0」を目指すドイツに対して、あれだけの恐ろしい原発事故に遭遇した我が国が、稼働停止となっていた原発を安全が確認されたとして次々と再開。 さらに官民一体で外国に原発を売り込んでいるのだから、なんと
も愚かなことである。
以前、ドイツのメルケル首相が訪日された際、安倍首相に原発ゼロ化を真剣に検討した方が良いと忠告してくれたにもかかわらず、愚かな安倍は聞く耳を持たずに今もなお原発推進策を続けている。
新潟の柏碕刈羽原発の2基を動かすだけで年1000億円の増益が見込まれている為に何としても稼働させたいのだろうが、神国日本と1億の民を犠牲に
してまで為すことではない。
このまま再開を進めていくなら、巨大地震や大型噴火がいつ起きてもおかしくない状況にあるだけに、この先に待ち受けているのは第二
、第三の福島である。 今、東芝はおのれの蒔いた原発推進という大きなカルマの刈り取りに遭遇しているが、安倍にもまた同じ運命が待っていることだろう。
一刻も早くそれに気づいて方向転換をしてもらいたいものである。