先日、「再生に向けて加速し始めた地球」で米国西部のカリフォルニア州北部と南部で大規模な山火事が発生し、近隣の住宅地にも被害が広がっていることをお伝えした。火災の発生は23日ごろから始まったようなので、既に1週間近く経過しているが一向に衰えることなく、今もなお燃え広がっているようである。
そうした状況を昨日も今日も、米国のABCニュースはトップで伝えており、既に20万人が避難し、94万戸、220万人が停電に見舞われているようである。日本時間の今朝のニュースは新たにロスアンゼルス郊外の高級住宅地・ビバリーヒルズ付近でも火災が発生し、俳優のシュワルツェネッガー元カリフォルニア州知事など著名人2万5000人が避難を余儀なくされる事態となっていることを伝えていた。
何故これだけ広域に広がっているのかというと、風速30m近い季節風によって飛ばされた「がれき」が電線に当たってショートし、その飛び散った火花が出火要因となっているためである。それゆえ被害の拡大を防ぐために電力会社が計画停電を広げており、停電の対象はすでに36群で100万戸近くと前例のない規模に達しているようである。
延焼面積は昨日のニュースでは1万5000ヘクタールで、鎮火したエリアは10%ほどと伝えていたが、今朝のニュースでは焼失面積が2万7000ヘクタールを超えて来ており、鎮火した割合はわずか5%に過ぎないと伝えられていた。これから先、まだ2〜3日は風速の強い日が続くようなので、延焼面積はさらに広がりそうである。
東京23区の総面積は約6万3000ヘクタール(=630平方キロメートル)であるので、既に焼失した面積2万700ヘクタールは、東京23区の約43%となる。したがって、もしもこれから先、数日間延焼が続くようなら、焼失面積は東京都23区の半分をはるかに超え、3分の2近くに達しそうである。
米国ではこのような山火事が毎年何カ所かで発生するのが恒例化して来ていることを考えると、広大な面積を持つ裕福な米国といえども、その規模と被害額が米国社会に大きな爪痕を残していることは確かである。
それに被害は山火事だけではないのだ。恒例化しているフロリダ州など東海岸一帯のハリケーン被害やテネシー州など中南部の竜巻や洪水の被害などを加えると、我が国のこの秋の一連の台風被害の数千億円とは桁違いの数兆円規模の額となっていることは間違いなさそうである。そして、その頻度と規模が年々歳々、度合いを増して来ているのだから大変だ。