オーストラリアの森林火災に関する記事は11月6日付の記事から今回で4回目である。オーストラリアABCが伝える情報では、南東部のニューサウスウェールズ州一帯の森林火災は
猛暑と強風でさらに広がり、2日ほど前に、11月に続いて2度目の非常事態宣言が発令され、既に消防士を含めて6人が死亡、610棟以上が全焼する事態となっている
。
前回の12月9日付の記事から既に12日が経過していることを考えると、焼失面積は四国全域を遥かに超しており、こうした状況が続くようなら、来月
末には九州の面積に近づ くことになりそうである。
我が国では考えられないことであるが、それだけオーストラリアには広大な森林が広がっているということであり、そうした森林が消失していくということは地球が裸になっていくことを意味しているだけに、なんとも恐ろしいことである。
今回のニュースを聞いていて特に心配になったのは、オーストラリアのほぼ全土が記録的な異常な高温状態に見舞われていることと、膨大な煙による煙害がニューサウスウェールズ州の最大都市シドニー周辺に広がっていることであった。
19日の気温を色分けした上の図を見てもらえれば分かるように、一部の地域を除いたほぼ全土が39℃以上を記録しており、42℃〜45℃と45℃以上のエリアが3分の2を占めている。場所によっては48℃近くに達しているようである。
43℃を超すお風呂には長く入っていられない私には、なんとも恐ろしい温度である。
前回、火災によって数百匹から1000匹に達するコアラが死亡しているようだという悲しい情報をお伝えしたが、
コウモリの様に遠くに移動したり水に浸かることのできない動物は、45℃前後の猛暑に耐えられず、死亡するケースも発生しているようである。人間は場所を変えたり、冷房を使えばなんとかしのげるが、そうした手段をもたない動物たちにとって、
連日の45℃を上回る猛暑はまさに「生き地獄」と化しているようである。
もう一つの心配な点は、火災現場から離れた都市部周辺にも煙が達しており、シドニー周辺を含む広い地域で大気汚染指数が「危険レベル」に達していて、健康への危険が懸念される状態となっていることである。白くよどんだ街の中をマスクをかけて歩く市民の姿を見ると、排気ガスに覆われた中国とインドの情景を彷彿させる。
それにしても昨今の世の中、なんとも恐ろしい世界になって来たものである。