大気汚染といえば思い出すのが中国である。ところが最近インドでは、そんな中国の惨状を追い越すほどの大気汚染が発生しているようである。上段の写真は首都ニューデリー汚染の状況であるが、一目見ただけで、
汚染状態がいかに悪化しているかが分かるはずだ。
首都ニューデリーの汚染の様子を伝えるNHKの記者が、数日前に空気の汚染度を数値化した計測器で測定した数値は368。健康に悪影響を与えるレベルは150であるからして、遥かにその数値を超えていることが分かる。
このレベルでも目がかゆくなったり、のどや鼻が苦しく感じられるようであるが、先週には1000を超える数値となっていたというから、恐ろしいほどの汚染度であることが分かる。ここまでに至った原因として
挙げられているのは、車の排気ガス、気象状況、農家による野焼き
、祭りに使う花火などである。
車の排気ガスを抑える対策として、ニューデリーでは車のナンバーの最後の数値の偶数と奇数で、1日ごとに乗車の規制を行っているが、その程度では抑えきれるものではなさそうである。他に要因の一つとなっている穀物の収穫後の「農家の野焼き」については、地元政府が相当量の補助金を出さない限り止めることは出来そうもないようだ。農家の負担が大きいからである。
悲惨なのは、路上暮らしをしている人々である。32歳の男性は失職中でこの2年間は、妻と3人の子供と道路の高架下で暮らしており、子供たちは喉や鼻の痛みを訴えているが、金がないため逃げ場のない暮らしを虐げられているとのことであった。
苦しんでいる子供たちの悲惨な姿を見ると、胸が切り裂かれそうである。
男性は「私たちに何の落ち度があるというのか。政府や神からの解決策が必要です」と語っていた。経済的発展は順調に進んでいるようであるが、モディ政権はこうした人々の苦しみを和らげるために、1日も早
く抜本的な対策を講じて欲しいものである。