世界各地で拡大する新型コロナウイルス
ロシアでは救急車が病院の前で9時間待ち
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人も車も完全に消えてしまったモスクワの街 |
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世界各地で新型コロナウイルスの感染拡大が広まる中、気になるニュースが飛び込んできた。一つは先進国ロシアやイギリスの情報、もう一つは南米ペルーやアフリカなど発展途上国や後進国の惨状である。
これまで伝えられていたロシアのウイルに関するニュースの多くは、自国内の感染情報よりは外国に対する支援のニュースであった。それは中国も一緒。イタリアやスペインに対し、マスクや人工呼吸器が空輸される人道的な映像が世界中で流されたので、プーチンも習近平もなんと慈悲深いことかと思われた方も多かったのではなかろうか。
しかし、今朝の英国BBCニュースはロシアでは、モスクワ郊外からの患者を乗せた車が延々と連なり、なんと9時間以上待たされるという危機的状況となっていることを伝えていた。ロシアにおける感染者の発生数は18日は4785人、19日には6060人と急増し病院の対応が間に合わなくなってしまったためである。
これでは人工呼吸器を海外に送ったり、多くの医師を海外に派遣したりするどころではない。これまでの諸外国の感染の広がり具合を見ていたら、プーチンとて自国の急激な感染拡大は十分に予想できたはずである。それなのに何故、大量の医療器具や医師をイタリアやスペインなどに送っていたのか?
それは両国に対するEU(欧州連合)内での支援が滞っているのを見て、この際一気にドイツやオランダなどに対する不満がたまったイタリアとスペインを取り込もうと狙ったからである。しかし、国内の感染者が急増し、政府の対応に対する不満が爆発する可能性が大きいだけに、これから先の権力の維持を狙うプーチン大統領にとっては、もはや他国への支援など言っていれる時ではなさそうである。
一方、イギリスでは老後施設における死者が全国的に急増しており、すでのその数は4000人を超えているようである。昨日の時点でイギリスの感染者数は12万人で死者数は16000人。しかし、この死者数の中には、老後施設の4000人余は入っていないため、死者数は2万人超となりそうで、その数はなんと我が国の死者数236人の100倍である。
皇室のチャールズ皇太子が感染し、政権トップのジョンソン首相は退院後も未だ自宅療法が続いているイギリス。
覇権国家・米国と同様、世界を手の内に入れて来たイギリスも、どうやらこれから先、カルマの刈り取りで一段と苦境に立たされることになりそうである。
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ロシアでは患者を乗せた救急車が9時間も待たされる緊急事態となった。
心配なペルーアマゾンとアンデス山中の
寄贈した学校の村の感染拡大
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楽しそうに学校に通う子供たちにウイルスが蔓延しないことを願ってる。
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ロシアやイギリスなど先進国から目を南米やアフリカなの後進国に転じると、先進国とは違った悲惨な状況が発生していることが分かる。先ず私が気になっていたのはペルーの感染状況であった。発表される数値を見ていると、ここ1週間ほど前から感染者数が拡大し始めて、一昨日は931人、昨日は1208人と急増し、我が国の50%増の1万5000人を超える事態となっている。心配なのは私が学校を寄贈した9の村の様子である。
昨日のセサル・ラトーレ氏からの連絡によると、ペルーアマゾン河やその支流沿いの村でも感染者が発生し始めているようである。電話でセサル氏は、こうした村々ではいったん感染者が発生すると一気に拡大すると同時に、感染者=死者となる確率が高いことを伝えていた。
村々には学校施設がないだけでなく医療施設もまったくないのが実情である。そのためにセサル氏は年に1度、数人の医師を同行して村を回り、寄贈した学校の様子と同時に村の子供たちの健康面もチェックして来ていたわけである。
そんな村にコロナウイルスが広がったら悲劇である。元気で飛び回っていた子供たちが次々と倒れて行く姿を想像しただけで、胸が痛む。ただ確認できた5つの学校では感染者は出ていないようなのでホッとしているところである。
村々は一切、外部の人間は入れないようにしているようなので、何とか封じ込みが出来たらと願っているところであるが、電話が通じない高地のアンデスの村などの4つの学校の様子が気になるところである。
一方、アフリカの状況も心配である。アマゾンやアンデスなどの村は隔離が出来るが、アフリカなどの都市の郊外に住む貧困者たちは、そうしたことが全く出来ないばかりか、いざ感染者が発生したら拡大を防ぎようがないだけに、悲惨な状況となってしまう可能性は大である。
欧米諸国など先進国の都市部に生活する人々も、外出禁止や営業停止命令などによって収入が途絶えてしまうため、封鎖反対の動きが出始めているようだが、後進国の人々の苦境はそれをしのぐことになりそうである。
どうやらこれから先、この世は地球の生まれ変わりを前に、一段と苦しみと悲しみの苦娑婆(くしゃば)と化していくことになりそうである。併せて統治者による様々な規制もまた、一段と厳しさを増して来ることは避けられそうもなさそうである。
ソマリアで活動している国境なき医師団の平井亜由子さんは、
都市郊外に住む貧しき人々への感染拡大を心配していた。
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