ニューヨークの原油先物価格がマイナスに
顧客にお金を払って原油を買ってもらう
異常事態発生!!
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米国では原油の需要が激減し、原油を保管するタンクが満杯状況と化してしまった。
その結果、原油先物価格が55ドル下がって、マイナス37ドル台となってしまった。
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週明け20日のニューヨーク原油先物相場は暴落し、指標の米国産標準油種(WTI)の5月渡しの価格が史上初めてマイナスに転じる事態となり、ニューヨークの株式市場も600ドル近く下落するという異常事態が発生した。
その要因は、新型コロナウイルスに対する感染症対策で外出制限措置が広がったため、航空機や自動車などの利用機会が激減して原油の需要が減少し、供給が過剰となったためである。その結果、売り手が代金を支払って原油を引き取ってもらうという、前代未聞の異常事態となったのだ。
その結果、5月渡し価格は前週末比55・90ドル安の1バレル=マイナス37・63ドルで取引を終えるところとなった。このようようなことは史上初めてで、まさに今、米国のみならず世界で起きている事態がいかに異常であるかを物語っている。
6月渡し価格は20ドル台に留まっているようなので、ひとまず安心だが、こうした異常な状況がこれから先も続くようなら、サウジアラビアなど原油輸出国は大変である。特にロシアは今、コロナウイルスの蔓延で、感染の拡大防止に大変な経費が必要とされている時だけに、厳しい状況に陥ることになるかもしれない。
一方、新型コロナウイルスに関しては、デンマークやノールウエーなどでは学校が開校し、ドイツでは一部の小売店が営業を再開するなど、一部の国で外出禁止などが緩和される政策がとられ始めているが、一歩間違うと再び感染が急拡大する可能性があるため、WHO(世界保健機関)は緩和の動きに警鐘を鳴らしている。
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ニューヨークの株式市場も600ドルほど下落。上げ下げの激しい取引が続いている。
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もしも、緩和政策が実施されずにこれから先も、外出制限や小売店の販売が禁止された状態が続くようなら、原油市場に前代未聞の事態が発生したように、経済全体が一段と厳しい状態に陥る可能性は大である。
また一方、タイミングを誤って緩和政策が時期早々に実行され、感染が再び拡大されるような事態になった時にも、人工呼吸器などの医療器具や治療に当たる医師や看護師が不足しているだけに、死者の数が急増する可能性があり、これから先、各国政府の判断は一段と難しくなってきそうである。
そうした状況の中、我々として出来ることは感染予防に努めながら、悪しき新型コロナウイルスが一日も早くの消滅することを願うのみである。幸い、我が国においては、感染者1万1000人余に対して死亡率は2・3%程度にとどまり、死者数も263人と抑えられている。
昨年のインフルエンザによる感染者数1000万人、死者数3000人に比べれば、現時点でのコロナウイルスによる感染者と死者の数は、はるかに少ない数値であることは確かである。従って、
感染者数や死亡率が現状程度で抑えられているようなら、あまり恐怖心を抱かずにいたほうがよさそうである。
恐怖心はウイルスに対する免疫力を弱める要員となるからである。
読者に置かれては、新型コロナウイルスに対する抗体を作るのに一番必要なことは冷静な心を維持し、明るく、笑いのある日々を過ごすことであることを忘れずに、一日一日をお元気でお暮し頂きたい。
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