150センチという記録的な大雪に見舞われた冬も去って、八ヶ岳山麓でもようやく春の訪れを肌で感じられるようになってきた。暖かい地方では既に桜の花も散り、春本番を迎えていることと思うが、北国の春はこれからである。
北国で春を告げるのはコブシの花、また足下から顔を出すフキノトウも春の使者である。遅い春はその分、花の咲き方は一気呵成である。コブシから梅、桜、山桜と次々と咲き始める一方、地に咲く草花も同様、フキ、タンポポから始まってザゼンソウ、ホトケノザ、ムスカリ、スイセン
などの可憐な花たちが、一斉に春の到来を告げ始める。
そんな花たちを眺めながら、白銀に輝く甲斐駒ヶ岳や八ヶ岳に目をやると、今自分が自然の中に生かされていることを実感し心が癒される。こんな素晴らしい自然が破壊されてしまったら、もはや人間は動物と化すしかない。都会にお住まいの方は写真集『神々の楽園
八ヶ岳』を開いて,、心を癒して欲しいものだ。
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穏やかな異常気象
記録的な寒波に見舞われた米国と異常な暖冬が続いたヨーロッパ。両者に代表される両極端な気候が最近の異常気象を象徴しているが、朝夕と昼との温度差の激しさもまた最近の特徴である。気象学者に言わせれば、春の大きな気温差の要因は、冬の名残りの冷え込みと春に入っての強い日差しの影響
によるものだという。しかし、今年の春に入っての1日の気温差は少々異常で、まるで1日の中に冬と夏が同居しているように感じられるほどである。
日中、特に太陽が輝いている時の日差しはまるで真夏のようで皮膚が痛く感じられる程である、しかし、一旦陽が沈んでしまうと今度は冬のような寒さ、特に風が強い日など、
夕方や夜半の外出時には襟巻きがいる程である。夕方の1時間ほどのウォーキングは、10年来休むことなく続いているが、日が照っている時間帯と陽が沈んだ後では、体感温度がまったく違うのがはっきりと感じられる。
また、風の強いのも最近の特徴である。
昨年あたりから風の吹かない穏やかな日が極端に少なくなっている感じがする。最近はそうした風の日が多いだけでなく、吹く風の強
さも異常である。日中の風も強いが、夜中に吹く風は一段と強い。ゴーゴーという大きな風の音で目を覚ますことがある程である。
時には、その強さは家が揺れるほどで、一瞬地震が起きたのかと思う時があることもある。都会暮らしをしておられる読者はあまり感じていないかもしれないが、この異常な風の強さ
は日本各地で発生しているはずだ。最近の異常気象は誰もが感じる
豪雨や大雪だけでなく、1日の気温差や強風などに目立たない形で現れて来ていることを、知っておいて欲しいものである。
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