8月4日、孫たちが来たので入笠山に連れて行くことにした。都会暮らしをしている子供には自然の中が一番である。蝶たちと一緒に花の精霊が舞う花園はなおさら最高だ。
標高1800メートルのゴンドラ駅山頂付近は時々霧が出る曇り空、しかし、花を撮影するには絶好の日和である。
咲き乱れる草花や蜜を求めて飛び交う蝶たちにとって、騒然としてきた世界の状況は無関係。うらやましい限りである。
しかしながら、気象の影響を受けやすい草花や蝶たちにとって、このところの異常気象は死活問題だ。八ヶ岳周辺はまだまだたいしたことはないが、連日の大雨に見舞われている四国や紀伊半島などでは草花は根こそぎ流され、昆虫たちも吸う蜜がなくなってしまっていることだろう。
それにしても、このところの台風は異常だ。それは、進行速度が自転車並みの遅さである点だ。それゆえ、風雨の影響を受ける時間が長くなり、被害もそれだけ大きくなる。台風の寿命は平均5日余、しかし8号、11号、12号は2週間近く強い勢力を保ったまま持続。その間、しめった空気を次々と列島上空へ送り込み、全国各地で梅雨時さながらの傘マークが並ぶ。
雨量も尋常ではない。1300ミリを越す驚異的な雨量は、まさに「ウォータークロック」の凄さを知らしめているようだ。雨を洗わす言葉に「喜雨」と「鬼雨」がある。どちらも「きう」と読むが、前者は日照りの後に降る恵みの雨で、「慈雨」である。後者は並み外れの雨量で大きな被害を及ぼす「災雨」である。
四国や紀伊半島を襲った雨は、被災者にとって「災雨」となるが、土地の浄化という意味では「慈雨」の面も持っている。雨や雪は土地の浄化のために不可欠であるからだ。浄化の雨は死者を出すことは少ないが、これから先、カルマの刈り取りのための雨なると、そうはいかなくなってくる。読者は「ウォータークロック」のもたらす豪雨には、二つの面が秘められていることを忘れな
いておいて欲しい。
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