ドバイを凌ぐ資産バブルの証
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中国の景気回復は、実は蜃気楼?
写真は、昨年12月の武漢市
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最近、欧米の主要各紙が、中国資産のバブル化についての分析記事を相次いで発表している。その中で、2010年には中国経済の成長ペースが急減し、経済破たん
へと進む恐れがあると述べ、その根拠として、「4兆元(52兆円)景気刺激政策による2009年の驚異的な中国景気の回復は、資産バブルの上に立つ蜃気楼に過ぎないからだ」と、述べている。
また、このところ中国各地の地方都市で住民とテナントのいない新しい町、ゴーストタウン出現の話(下記大紀元日本社ニュース参照)が取りざたされ始めている
。その数は全国で数万に達するのではないかという情報もあるが、これもまた、何が何でも8%成長を続けるのだという中国政府の焦りの気持ちがもたらした結果ではないかと思われる。それはまさに前回のHPでフランスのラ・トリビューン紙が伝えた下記の記事の実証例でもある。
当局は経済成長ができるならば、必要あるかどうかを問わず、高層ビルや工場、橋などを大規模に建設してもよいと指導した。また、政府は銀行に対して、地方政府や企業への融資について当初、それらの経営状況や返済能力を見なくてよいとの指令まで出したという。
中国政府は、これからも高層マンションや巨大なタワービルの建設計画を進めようとしているようなので、まだしばらくは、作り物の好景気は続き、バブルはさらに膨張することになるのかもしれないが、遠からず破綻がやって来ることは歴史が示している。
下段の写真の右側は、先日の黄砂に襲われた北京市街の情景であるが、天は、蜃気楼の変わりに黄砂によって今の中国の好景気が「うたかたの夢」に終わることを示しているのかもしれない。
後になって振り返れば、国のあちこちで砂漠化が進み、洪水が頻発して多くの国民が困窮し、一大国難が進む中、やれオリンピックだ、万国博覧会だとお祭り気分をあおって、次々と、ビル群が建てられ、資産バブルが膨張していったことを知ることになるのではなかろうか。
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黄砂で北京の近代ビル群が消えてしまった
(左)17日の北京 (右)黄砂に覆われた22日の北京(AFP)
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中国各地で「空城」続出 09年の景気回復、資産バブルの上にたなびく蜃気楼か
【大紀元日本3月5日】 今年に入ってから、著名投資家が相次いで中国不動産のバブルが崩壊すると警告している。1月に「逆張り」で有名な投資家のジェームス・チャノス氏が、「中国の不動産バブルの危険度はドバイ信用危機の1000倍」と発言。2月には、米国の不良債権化した不動産ローンの処理を専門とするジャック・ロッドマン(Jack
Rodman)氏が、北京の商業用不動産ビルの空室率は50%に達しており、中国不動産市場のバブル崩壊が近づいていることを指摘。
この二人の投資家に続いて、1987年ニューヨーク株式市場の暴落及び日本株式市場バブル崩壊を予想した世界著名投資アドバイザーのマーク・フェイバー(Marc
Faber)氏も22日に、「ブルームバーグ」に対して、「中国(での不動産投資)は行き過ぎている。中国にはますます多くの『空っぽ』ビルが建築されており、生産能力過剰となっている産業に新たな受注を入れている。これは意味のないことだ。2010年中国経済の成長ペースは急減し、経済破たんの可能性があると思う」と語った。
一部の専門家は「4兆元(52兆円)景気刺激政策による2009年の中国景気の回復は、資産バブルの上にたなびく蜃気楼にすぎない」と指摘している。
中国各地で続出する「空城」
近頃、中国各地で不思議な現象が起きている。多くの古い町のすぐ横に、新しい町が開発されて、その新しい町の中にはあちこちに新しい住宅ビルが林立しているにもかかわらず、住んでいる住民の影が見当たらないのだ。
昆明(クンミン)は中国西南地方にある雲南省の省都である。この昆明市の隣町、呈貢(チェンゴン)は、2003年に新開発された。2月21日付の「フィナンシャル・タイムズ」紙は、「China:
No one
home」と題する記事で、呈貢を次のように記述している。「呈貢には大理石のタイルで覆われた13軒の地方政府所有の新ビルが立ち並んでいる。この町には室内プール完備の高校があり、この地方の主要大学には、いくつかの大型キャンパスが建設された。新品の高層マンションが列を成し、ピカピカの窓ガラスが亜熱帯の太陽を反射して輝いている」。しかし、唯一の欠点は「現在の呈貢はほとんど無人の状態に等しい。広い通りの交通は絶えたかのようで、銀行の支店には客の姿がなく、地方政府の役場の玄関には落ち葉がたまっている」
一方、内モンゴル自治区のオルドス(顎爾多斯)市政府は同市から北へ30キロを離れる砂漠の中に新しい町を作った。昆明にある呈貢の町と同じく、新しいビルが多く並んではいるが、住民は1人もいないため、「ゴーストタウン」と呼ばれている。
「ブルームバーグ」も、中国江蘇省江陰県の華西村が「名実ともに中国のドバイになろうとしている。政府当局の莫大な景気刺激政策で形成された不動産バブルの象徴である」と指摘する。同村は1月から、総工費25億元(約325億円)で地上328メートル、地下と地上を合わせて74階の高層ビル建設を進めているという。同高層ビルは「増地空中新農村ビル」と名付けられ、中国国内で8番目、世界で30番目の高さを誇り、会議室、娯楽センター、宴会場が設けられる以外に、中のほとんどが高級マンションになるという。国内報道によると、このビルの建設費用の大部分は村民のうちの200人が共同出資したものだという。
同時に、同村政府はさらに総工費60億元(約780億円)、ドバイのブルジュ・ハリファに次ぐ世界で2番目に高い高層ビルの建設計画を決定したという。建設計画によると、同ビルは地上538メートルで118階建て。(文章構成を一部修正)