ダライ・ラマ14世が本当に言いたかったこと
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オバマ大統領とダライ・ラマ14世の会談(ホワイトハウス公式サイト)
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二人のノーベル平和賞受賞者の会談が実現した。チベット亡命政府の指導者ダライ・ダマ14世とオバマ大統領である。折角世界の大物平和主義者が対談したのだから、この会談が是非とも、世界の融和と平和に向けての第一歩となって欲しいものである。
ダライ・ラマが対談後に語った会談の要点は次の2点である。「平和な世界、平和な家庭、平和な人間を導くために、人間の価値を促進すること
」。「一つの伝統を維持し、一つの宗教を信仰すると同時に、他の主な宗教の伝統も尊重すること」。
これはまさに、マヤの最高長老ドン・アレハンドロが私とのテレビ対談で語ったことと瓜二つである。ドンは、この世から差別や格差をなくすためにあらゆる国、すべての人種の人権を尊重し、国家や民族の個性を生かすために文化や伝統を大切にすることが
、これからの世界には、必要不可欠であると、心を込めて語っていた。
長い間、植民地化され国を失った民族が願うのは、人間と民族の尊厳の回復であることがよく分かる。
先の、ダライ・ラマの発言は、一般的には、現在の中国共産党政権に向けた発言と受け止められるに違いない。当然ことながら、毛沢東政権時代、大量のチベット人やチベット僧侶を虐殺し、なんら正当性もなく、チベット領土を我が物にした中国にとっては、耳をふさぎたい気持ちであろう。
しかし、それはアメリカ大陸から先住民・インディオの土地を不法に略奪し、中米のマヤ族と共に世界で最も古い歴史を持つホピ族たちの文明を破壊し、彼らの持つ崇高な宗教心をないがしろにしてしまったアメリカにとっても、同様に頭の痛い話のはずである。
彼らとて自国の犯した大きな罪を心から詫びない限り、他国の人権問題や不当な侵略問題をとやかく言う資格はないのである。
そのことを、自分たちは民主主義の法のもと、人権を尊重し、個人の尊厳を尊重してきている民族と自負しているアメリカの国民のどれだけの人が、真摯に受け止めることができたであろうか
? 先の戦争において、我が国の真珠湾攻撃を金科玉条にして、必要もないのに二つの原爆を投下し、何十万人という罪のない市民を犠牲にしたことの非を、未だに反省することのないアメリカというお国柄だけに、大きな疑問が沸いてくる
ところである。
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グアテマラのパナハッチェルで、熱き思いを語るドン・アレハンドロ
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今回のトヨタ叩きのあまりのひどさを見ていると、アメリカという国家の持つ露骨なエゴが丸見えで、哀れにさえ感じる。経営戦略を間違え、おごり高ぶった結果、破綻に追い込まれたGMやクライスラー社の憤懣を、国を挙げてトヨタ車に向けている
姿は大国の末路を見る思いである。我々はアメリカという国が決して慈愛と利他心に満ちた崇高な国でないことを、深く肝に銘じておく必要がある。
アメリカに物言おうとしている鳩山総理や中国寄りの小沢幹事長をマスコミを使って窮地に陥れているのも、CIAによる脅(おど)し以外のなにものでもない。最後には
、小沢氏の送検を見送る見返りに、500兆という郵貯の膨大な資金をアメリカ国債の購入に向けさせた露骨なやり方を見ていると、アメリカが日本を同盟国にしている真の狙いが、対中国
戦略にあることは見え見えである。
かく言う日本人とて、かってこの地の先住民であったアイヌを北の地へと追いやり、その土地と人権を奪ってきているという暗い歴史をもっていることに変わりはない。このような
多くの国や民族が持つ侵略と略奪の負のカルマは、消えることなく今日に至っており、地球自体が3次元を卒業し、高次元の星へと転生しようとしている今、一気に噴出する可能性
が大きくなってきている。
あとは、国も個人も残された時間の中でいかに利他心を持って徳を積み、プラス・マイナスゼロにもっていくかである。ダライ・ラマといえば初代の法王の魂が輪廻転生を繰り返して、現在の法王に至っていることは多くの人々の知るところであるが、その法王も今生を最後に、もはや転生を繰り返すことはないと明言している。それは、3次元世界がいよいよ14世の時代をもって終焉を迎えることを意味している
のではないだろうか。
お互いに、3次元の最終ラウンドに産まれて来れた幸運を喜び、かけがえのないチャンスを有意義に過ごしたいものである。
米大統領、ダライ・ラマと会談 チベット人の人権支持表明
【大紀元日本2月20日】オバマ大統領は18日(現地時間)、ホワイトハウスでチベット亡命政府の指導者ダライ・ラマ14世と、一時間あまり会談した。ダライ・ラマ14世は会談後、記者会見を開き、平和、宗教の融和の推進などの問題について大統領と意見交換したと説明。また、大統領は「チベットの独自の宗教、文化、言語を支持し、中国におけるチベット人の人権も支持する」ことを表明したという。
中国側の強い反発を無視して、会談は予定の通り行われた。中国外交部の馬朝旭・報道官は19日早朝に声明文を発表。今回の会談に強く抗議し、米国側に対して中国政権の立場を真剣に考慮するよう求めた。その一方で、今回の中国側の声明文は、米国への具体的な報復措置には言及していない。これまで、「会談が行われた場合、米中両国の関係は著しく損なわれる」と中国当局は繰り返し強調していた。
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オバマ大統領との会談終了後、ダライ・ラマ14世は
ホワイトハウスの外で記者会見を開いた(Getty Images)
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大統領との会談終了後の記者会見で、ダライ・ラマ14世は、オバマ大統領に2つの取り組みについて語ったことを明らかにした。一つは、平和な世界、平和な家庭、平和な人間を導くために、人間の価値を促進すること。もう一つは宗教の融和を促進すること。一つの伝統を維持し、一つの宗教を信仰すると同時に、他の主な宗教の伝統も尊重すること。これは異なる宗教が共存する中で、真の調和を構築する土台であると語った。
ホワイトハウスのギブス報道官は、ダライ・ラマ14世の「中間路線」や非暴力の立場、中国当局との対話実現における努力を、オバマ大統領は高く評価していると述べた。
ダライ・ラマ14世は17日にワシントンに到着した。現地チベット人との旧正月の祝賀イベントに参加するほか、19日には米議会図書館で演説を行う予定。