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金融市場大混乱の予兆

 

 

 
 


5月20日、ユーロ圏のソブリン債をめぐる懸念が高まり、
ダウとS&P500種は3%超、ナスダックは4%超下落した。

 


 

西暦2010年の5月という月は、歴史に残る月になるかもしれない。

昨日(5月20日)のニューヨーク市場ではダウが376ドル下げ、1万ドル割れ寸前となってきた。今日はドイツでギリシャ支援法案が議会にかけられることになっている。もしも、否決されるようなことになったら、明日のニューヨーク市場は1万ドルを大きく割ってくることは間違いない。場合によっては、週末でもあり600ドル、あるいは1000ドル近く下げるかもしれない。

もし、今夜のダウの下げがきついようだと、来週からは息つく間もなく一気呵成に下落する可能性が大きくなってくる。また、今夜のダウが仮に多少上げ相場になったとしても、長持ちせず、来週の中国株の下げ方いかんによっては、来週1週間で3000ドル、あるいは、それ以上の暴落相場が起きることも決してあり得ない話ではない。

下げはあってもそこまでの相場はあり得ないと、誰もが思われるに違いないが、今の相場がまさに「博打相場」であることを考えると、そんな甘い考えに立っておれないことに気づかれるはずだ。大きな混乱に陥った5月6日の米国の株式市場を思い出して欲しい。

午後2時30分以降、株価は急降下し始め、とりわけ2時42分から47分にかけてのたった5分間で、ダウ平均はなんと573.27ポイント(5.49%)も下落しているのである。その結果、瞬間的には前日比で1000ドル近い下げとなり、その下落率9.16%はリーマンショック時を上回る過去最大の数値となったのだ。

この急落について、コンピューターへの入力ミスによるものではないかとか、システムプログラムの誤作動の可能性が大きいとか言われていたが、急遽設立された調査委員会が調べたところ、結局そういった人為的なミスやプログラムの誤作動は見当たらなかったようである。

つまり、現物株の買い注文や売り注文、先物市場の動向、それに為替相場、商品市場の動きなどを瞬時に判断しながら、売り買いを自動的に進めるプログラム売買システムは、正常に動いていたというわけである。ということは、現在、主力証券会社が使っているシステムを使用する限り、昨今の経済・金融情勢においては、6日と同様の急落がいつ起きてもおかしくないということである。

87年のブラックマンデーでは、10月19日に1日で22%下げている。今の株価で言うなら2000ドルの下げということになる。

ニューヨーク市場では、ダウ平均が10%下落した場合には、サーキット・ブレーカーが発動して、いったん取引を中断する仕組みにはなっているようであるが、一定時間を経過すると、再び市場は開かれることになるので、1日に1500ドルとか2000ドルの下落はあり得るのである。

いずれにしろ、この1〜2週間の世界的な株式や為替市場の動きを見ていると、世界金融市場の地獄の釜のフタが開いたことは、ほぼ間違いなく、秋の日のつるべ落とし的なメルトダウンが始まる可能性が一段と高まったと考えておいた方がよさそうである。

今日、明日の状況次第では来週、世界市場は大混乱に見舞われることになるかもしれない。それは単なる暴落相場にとどまらず、経済崩壊が始まった日として歴史に残ることになるかもしれない。今夜のニューヨーク市場の動きからは目を離さないでおいて頂きたい。

米議会上院がこの日、金融規制改革法案の審議打ち切り動議(クローチャー)を可決し、同法案の最終的な採決が同日中もしくは21日に行われる見通しとなったが、この法案が成立すると、今後、リーマンショック的な暴落が起きても、金融機関への融資は行われることはなくなるので、金融崩壊が経済崩壊へと進む可能性が一段と増すことになる。二番底は奈落の底となるということだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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