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金融崩壊第2幕


先週の金曜日、4日のニューヨーク市場は予想外の動きを演じた。ユーロ・ドルは1.20ドルの大台を割り込み、1.1954ドル。ユーロ・円も110円を再び割り込み109.39円。一方、ダウ平均も323ドル急落し、9913ドルと今年の最安値となった。

当日は、韓国釜山の20ケ国財務大臣・中央銀行総裁会議の開催中だっただけに、一気に進んだユーロ安と、ダウの急落は、投資家にとって予想外であったに違いない。

ニューヨークの株価はアメリカ政府や闇の勢力の意向である程度コントロールできる。現に、アメリカ政府内には国家戦略の一環として、そのためのチームと軍資金が用意されていることは、知る人ぞ知る事実である。

ダウ平均は30社の株価の平均値を表すものであるので、寄与度の大きい特定の株、例えばいIBMやGE、マイクロソフト、インテルなどの株価を意図的に上げ下げすれば、膨大な資金を用意しなくてもある程度はコントロールが可能なのである。 ダウ平均先物というインデックスを操作するという手もある。

しかし、ユーロ・ドルやドル・円と言った為替の世界になると話は別である。為替相場には世界中の投資家や各国の中央銀行などが参加しており、その運用資金は何兆円、何十兆円にも達するので、アメリカ政府のチームも容易に操作するというわけにはいかない のだ。したがって、株価を安定させようと目論む者たちにとっては、為替の変動はアキレス腱である。

20ケ国財務大臣・中央銀行総裁会議において、この為替の変動を押さえるための論議をしようとしていただけに、その間に大きな動きはないと誰もが考えていたはずである。ところが、予想に反して 、会議の最中に為替は大きくユーロ安へと動き、株価はそれに誘導されて急落してしまい、株価操作ができないまま、ほぼ安値引けの形で終わることになってしまったというわけである。
 

 

 
 


G20財務相・中央銀行総裁会議では、具体的な合意事項は何もなかったようだ。

 


さて気になるのは、明日から始まる海外相場の行方である。先ず7日・月曜日の香港市場、欧州市場は間違いなく下落すると思われるが、問題はその流れを受けて始まるニューヨーク市場の動きである。株価を上げようとする目論む輩たちは、月曜日の相場を重要視して いるので、いつものように上げ相場を演出しようとするに違いない。現に、これまで、80〜90%の割合で月曜日は上げ相場を演じて来ている。

したがって、もしも月曜日のダウ平均が従来通り上げに転じ、10,000ドル台を回復するようだと、株価の下落が本格化することを不都合と考える輩たちが、軍資金をはたいて株価操作に手を貸したと考えたらいい。アメリカ経済は経済評論家やマスコミが言うように決して底を打ってなどいないから、下げをストップさせる動きがあるとしたら、それは決して自然の成り行きではないことは確かだ。

金曜日に発表されたアメリカの雇用状況を見ればそれがよく分かる。政府のお役人はおみこしかつぎのマスコミを使って、雇用者数が急増し雇用情勢が好転したと 囃(はや)し立てているが、実情は、新規雇用者数の43万1000人の増のうち、41万1000人は政府機関の臨時雇用者の増加数なのである。

つまり、今アメリカ全土で行われている人口数や所帯数などの国勢調査のために一時的に雇用された政府職人をのぞくと、民間雇用者数はたった 2万人しか増えておらず、その数は4月の21万8000人から激減しているのだ。米財務省のクルーガー次官補(経済政策担当)の、「今日の(雇用)統計数値を見る限り、欧州の問題が米雇用市場の拡大継続に影響しているとは思えない」と、いう発言は明ら かにまやかしである。

また、4万1000人増という数値も速報値に過ぎず、恐らく来月に発表される確定値ではマイナスになっているのではないかと思われる。「速報値はプラス、 されど確定値はマイナス」 のやり口は、上げ相場を演じる彼らの常套手段であるからである。

もし今回、定例的な月曜の上げ相場が演じられずに100ドルを超す下げになるようだと、本格的な金融崩壊の第2幕に突入する可能性が大きくなってくる。5月6日の348ドルの下げを第1幕とすれば、ちょうど1ヶ月後の6月4日、7日の下げは第2幕の始まりとなるのではなかろうか。
 

 

 
 


今週のニューヨーク市場は反発するのか、それとも。

 


いずれにしろ、ギリシャに次いでスペインやイタリア、ポルトガルといった国々でも、財政赤字が手に負えなくなる状況が近づいて来ていることは間違いなく、事実、そうした状況を早読みして、これらの国々 に対する銀行間取引は非常に厳しくなってきている。スペインの銀行の幾つかが政府の支援を求め始めているのはそれゆえである。

1931年の世界恐慌の先駆けとなった欧州恐慌は、オーストリアの銀行倒産がドイツへと飛び火したことがきっかけだったことを考えると、これから先の銀行の破綻劇には十分注意を払っておく必要 がある。

私は、世界的な金融崩壊、それに伴う経済崩壊の始まりは、秋口から年末にかけてではないかと考えていたが、もしも、6月の第2週が大きく下げるようであるなら、そして、6月のうちに ユーロ・ドルが1.00ドルを、またユーロ・円が100円を切って、ダウ平均が8500ドルを割り込むようなことになると、地獄のフタの全開 時期は予想より早まることになるかもしれない。

最近寄せられた確かな情報では、この世の出来事が先駆けて起きと言われている隠し世(かくしよ=黄泉の国)では、すでに経済の世界的崩壊は完了しており、あとは、3次元的な現世(うつしよ)でそれがいつ現実化するかという状況になっているようである。

今週中には、メキシコ湾(アメリカ・ルイジアナ州沖)の流出原油がフロリダ海岸に流れ着きそうである。 今回我々が目にしている原油にまみれたペリカンの映像は決してやらせ映像ではない。アメリカはこれまで湾岸戦争やイラク戦争で作り物の映像を流しては、世界の批判の目を対戦国に向けさせてきたが、今彼らは我が目で自国に押し寄せつつある危機的状況を目にし始めているのだ。

オバマ大統領の4日の、3度目となる現地視察が事態の深刻さを物語っている。一歩間違えば大統領の進退問題にも影響しかねない状況にあるのだ。いずれにしろ、原油流出とオイルの広がりは決して偶然の為せる技ではない。アイスランドの噴火があたかも欧州の危機的状況を告げているように、メキシコ湾の流出事故はアメリカが遭遇する経済的危機 、国難を暗示しているのかもしれない。  

                                    (6月6日深夜記載・7日8:30分掲載)

 

 

 
 


現地労働者が油の撤去作業を行っているが次々とオイルは流れ着いてくる。

 

 

 

 

 

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