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ペルーのクスコで洪水

 

           


道路も寸断されたクスコ市街


家財道具を運ぶ住民一家=AP

 

 

南米ペルーのマチュピチュからクスコにかけて、ここ2週間ほど降り続いた豪雨によって、大洪水が発生、このエリアを流れるウルバンバ川やその支流の氾濫によって水浸しになる家屋が続出しているようである。

知り合いがいるので、現地の様子を聞いてみたところ、今は雨期で例年雨の日が多い時期ではあるが、ここ2週間ほどの雨の降りようは異常で、朝晩2回づつ大量の雨が降り注ぎ、これまでに経験したことのないほどの雨量となっているようである。

かってのインカ時代の首都・クスコは3300mの高地にあるが、周辺が山に囲まれているため、高台から流れてくる雨水が低地の住宅地に注ぎ、市内でも浸水家屋が出ているようである。最も被害が大きいのは、標高2000mを流れるウルバンバ川沿岸で、クスコからマチュピチュに至る道路も至る所で切断され、行き来が出来なくなっているようである。

ただ、クスコの高台にあるサクサイワマン城塞やオリャンタイタンボ遺跡、それにマチュピチュ遺跡は今のところ大きな被害は出ていないようなので一安心である。ただ、ペルーの雨期は2月がピークなので、今後もこの強い雨が続くようなら、一部の遺跡の崩壊が発生する危険性はありそうで心配である。

気になるのは、こうした異常気象による降雨の影響がペルー南部、地上絵が描かれたナスカやパルパ地方に及ぶことである。ナスカやイカは砂漠地帯なので長い間雨らしい雨が降ることはなかったが、世界的に異常な気候が続いているだけに、いつ大雨に晒されるかわからない。
 

 

 
 


ナスカの地上絵も危機一髪である

 


このエリアだけでなく、アンデス山中や山沿いの町に降り注いだ雨も、豪雨となると海岸地帯に向かって一気に押し寄せてくるので、平地に書き残された地上絵はあっという間に消し去られてしまう危険性がある。

地上絵の撮影中にセスナ機やヘリから眺めると、三角錐形の巨大な幾何学模様のすぐ近くまで、アンデス山系から流れ出してきた雨水が迫っていることがわかる。(上の写真参照)

地上絵の描かれているエリアは広大で被害対策が立てにくい上に、ペルー政府の財政難を考えると、地上絵の保護対策は期待薄。ただ雨水による被害の及ばないことを願うだけである。

 

マチュピチュ豪雨、立ち往生の邦人50人 けが人はなし

【asahi.comニュース】2010年1月27日12時27分
 

ロサンゼルス=堀内隆】南米ペルーの世界遺産、マチュピチュ遺跡周辺で続いている豪雨の影響で26日、マチュピチュと約100キロ離れた町クスコの中間地点で土石流が起き、アルゼンチン人旅行者とペルー人ガイドが死亡、別の旅行者3人が負傷した。AP通信が伝えた。

土石流で寸断されたクスコとマチュピチュを結ぶ鉄道も再開の見通しは立っていない。地元メディアによると、マチュピチュを訪れていた旅行者約2千人は、マチュピチュの玄関口にあたる町アグアスカリエンテスで足止めされ、一部は旅行会社が支給したテントを広場に張って野宿しているという。

在ペルー日本大使館によると、当初、立ち往生している旅行者の中に邦人観光客62人が含まれるとしていたが、再集計の結果、50人余りとみられるという。旅行会社を通じた情報では、けが人は出ておらず、全員がホテルに滞在している。ただ、現地に滞在している大学生の小泉翔さん(23)によると、小泉さんがいるホテルは「すぐ横ががけになっている」という。

ペルーは現在、雨期で少なくとも来週末までは雨が続く見通し。新たな土石流が起きる恐れもある。

 

 

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