相変わらず寒暖の激しさと強風や記録的な大雨が続いているが、目を世界に転じると、異常気象の度合いが一桁違うようだ。 広大な北アメリカで相変わらず東西南北各地で、様々な異常災害が発生し続けている。
晴天が続き乾燥した南部フロリダでは山火事が発生。 ルイジアナからミシシッピー州にかけては竜巻。 温暖なはずの西部カリフォルニアでは異例な寒気と季節外れの降雪。 北東部からカナダにかけては大雨による大規模な洪水が発生。
中でも五大湖東部のモントリオールからオタワにかけては、5月に入って以来の連日の雨で、降水量が平年の5倍近くに達し、それに雪解け水が加わって50年に一度といわれる大洪水が発生し、モントリオールでは非常事態宣言が発令されている。
寒波に見舞われた北欧と東欧
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寒波と大雪に見舞われたノールウエーの首都オスロ。
アウトドアーのカフェーがすっかり雪に覆われてしまった。 (Bloomberg)
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一方、ここ数日、東欧や北欧ではこの季節としては異常な寒波に見舞われており、各地で軒並み平年の気温を大きく下回り、ノールウエーなど北欧の一部では観測史上最も低い気温を記録。 スウエーデンのストックホルムではマイナス4・7度、 ノルウエーのバルト海に面したヴィスビー空港ではマイナス8度近くに達している。
北欧の寒冷化については、過去に何度もミニ氷河期の到来が近いことを伝えて来たので、読者も十分ご存じのことと思う。 その要因の一つが温暖なメキシコ湾から流れてくるメキシコ湾流が、石油の流出事故などで停滞していることであるが、こうした状況は今もなお続いている。
しかし、ここ1〜2年北極海の氷の面積が減少するなど寒冷化と反対の動きも見えていたため、うっかりすると忘れがちになってしまっていたかもしれないが、昨年11月にはスウエーデンで111年ぶりの積雪が記録されるなど、寒冷化はじわりじわりと進んでいるのである。
こうした流れの一環として発生したのが今回の異常寒波と降雪である。 上段に掲載したノールウエーの首都オスロの大雪の写真を見て頂ければ、寒冷化への動きを実感して頂けることだろう。
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