モスクワで暴風雨
国営のロシアテレビは、29日に首都モスクワがすさまじい暴風雨に見舞われたことを伝えていた。 気象局の発表では風速30メートルとなっているが、局地的には40メートル近い強風であったようで、大木が根こそぎ倒れ、建設用のクレーンも倒壊。 またガレージ用の巨大なテントも風にちぎられ空を舞っていた。
これほどの強風に見舞われた要因は上空に冷たい空気が流れ込み、大気の状態が不安定になったため。 このところヨーロッパ大陸全体が高温に見舞われ、平年を10度以上上回る真夏並みの気温となっていた。 モスクワも29日は26度と真夏の気温。 その5000メートル上空に、北極圏からマイナス30度の冬なら大雪をもたらす寒気が流れ込んだのだから大変だ。
上空と地上との温度差が40度を超すと大気の状態が不安定になり、強風や大雨をもたらすことになるのだが、今回はなんと56度という異常な温度差が生じたため、台風並みの暴風雨が吹き荒れたというわけである。 こうした異常な温度差がヨーロッパだけでなく、中東やアフリカ、アメリカなどで発生しているため、記録的な大雨や強風、ハリケーンなどが発生し、甚大な被害をもたらしているのだ。
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大木が根こそぎ倒れ、建物やテントが舞い散っている (ロシア国営テレビ)
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スリランカでは記録的な大雨
スリランカでは記録的な大雨により洪水や地滑りが発生。 これまでに169人が死亡、100人を超す人が行方不明となっており、50万人が避難を余儀なくされている。
スリランカ政府は国連や国際社会に支援を要請しており、インドから3隻の海軍の救助船が向かっていて既に一隻が到着しているが、被災地がスリランカ島の南部と西部の広い範囲に広がっていることや、陸の孤島と化しているところが多いため、救助がままならず食事にありつけない被災者が多く出ているようだ。
モンスーンの季節に入ったインド洋では、既に大小のサイクロンが発生しており、その一つが今バングラデシュに向かっている。 インド洋に面したバングラディシュは国の半分以上が海抜6メートル以下であるため、高潮と洪水の被害が甚大となり、数年に一度の割合で何万人、何10万人の死者が発生している。
1970年11月のサイクロン・ボーラハではおよそ50万人、1991年のサイクロ・ゴルキーでは約14万人が犠牲となっている。 今日上陸しそうなハリケーン・モラは風速が30メートル近いようなので、大きな被害を及ぼさないことを願っている。 明日以降の記事で報告せずに済めばよいのだが。
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高速道路の路上に避難してきた人々は、「昨日は見知らぬ人から一度の
食事を恵んでもらったが、今日は朝から何も食べていません。 どこに
救いを求めたらよいのかわからない状態です」と厳しい状況を語っていた。
(「シンガポールCNA」テレビ)
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