その先端を行く北欧3国の実体
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キャッシュフリーが表示されたストックホルムのベーカリー店
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スウェーデンの首都ストックホルム、 市庁舎近くのパン屋のレジにはキャッシュフリー、つまり、現金を受け取らないというプレートが貼られていて、昨年の1月から、貨幣や紙幣など現金での買い物が出来なくなっている。 そのため、買い物客はショーケースに入った300円
のパンを買おうとすると、クレジットカードや口座からすぐに代金が引き落とされるデビットカードを使うことなる。
「現金はだめなのか !」 と怒る客もいるが、ほとんどの人は慣れていて、カード決済に抵抗がない人が多くなってきているようである。 今、スウェーデンでは
、ストックホルムだけでなく、全国的にこうした店が急激に増えているようである。
スウェーデン中央銀行が昨年、16歳から85歳の約2000人に過去1カ月の主な支払い手段を聞いたところ、現金を利用する比率は 3500円以下では26%。 3500円〜17,000円では
わずか9%であった。
この現金比率の少なさは、現在の日本では信じられない数値である。 特に3500円以下の26%という比率には驚きである。 2000円や3000円の買い物をしたとき、4回に3度はカー
ド決済をしていることになるからである。 私のように、ネットでの買い物以外はほとんどが現金払いの者にとっては驚きである。
国際決済銀行によると、2015年末時点で、スウェーデンではGDP(名目国内総生産)に対する現金の流通量は1.7%。 米国は7.9%、日本は19.4%だということなので、
スウェーデンは現金の流通量が日本の約10分の1程度ということになる。 こうした数値を見れば、スウェーデンにおけるカード化(キャッレス化)
がいかに凄いスピードで進んでいるかが、分かろうというものである。
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我が国のカード利用率はスウェーデンの10分の1以下
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こうしたキャッシュレスの流れはスウェーデンだけでなく、隣国・デンマークでも広がり始めているようである。 デンマークではこれまで、小売店での現金の受け取りは義務化されており、キャッシュレスを表看板に
することはできなかった。 しかし、経済界から現金を使うシステムは企業にとって負担が大きい、という声が強まったことから、政府は来年1月から、
夜の10時から朝の6時までの夜間は、現金の受け取りを拒否できるように法改正することになった。
それを受けて、デンマークの中央銀行は現金の需要が下がり続けるとみて、紙幣や硬貨を自ら印刷・製造するのを昨年末から中止しており、今年3月からフィンランドの造幣局に硬貨製造を委託している。 またスウェーデンの西隣のノルウェーでも、大手のノルディア銀行が15年11月から約60店舗ある支店のすべてで窓口での現金の取り扱いサービスを止めている。
銀行の窓口で現金のやり取りが出来ない、これでは銀行ではなくなってしまうように思われるが、実際そのような状況になってきているのである。 北欧のこうした国々では
、なにゆえこれほどまでに、現金の支払いに代ってカード決済が進んでいるのだろうか? 北欧諸国は比較的人口が少なく、国民と政府、政治家との距離が近いので、「個人情報を悪用することはないだろう」と
いう意識が強く、キャッシュレスが受け入れやすくなっているのが要因ではないかと、考えられているようだ。
一方、先進国でありながら、我が国でキャッシュレス化が進まない要因の一つは、安易にカードを使うことによって個人情報が漏れて悪用されるなど、さまざまな問題が生じることに対する懸念である。 しかし、現在、急速に普及しているスマホやアプリが容易に決済に使うことができるようになったら、
我が国でも現金主義的な考えが大きく変わる可能性はありそうだ。
いずれにしろ、これから先、世界中でキャッシュレス化の動きが進んでいくことは間違いなさそうである。 実はこのキャッシュレス化を密かに喜んでいる輩
たちがいるのだ。 それはワンワールドを目指す「闇の勢力」に属する輩たちで、彼らにとってキャッシュレス化は願ってもないことであるのだ。 次回は
キャッシュレス化の先に待ち受けている、恐ろしい奴隷化社会について記すことにする。
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