ルソン島の火山に次ぐ、本白根山の噴火、
アラスカ沿岸の大地震
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真黒な噴煙と共に大量の隕石が飛び散った
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昨日、フィリピンのルソン島にあるマヨン火山が大規模噴火が起きる可能性が大きくなったとして、警戒レベルを4まで引き上げた記事を記した。 その最後に、世界的に多くの山が噴火の兆候を見せ
始めて来ているので、我が国の110ある活火山のどれかが、いつ噴煙を上げることになっても、おかしくないですよと書こうと思った。 ただ、あまり読者に
不安をあおるような記事を書くのはどうかと思って、記すのを止めにした次第である。
ところが、10時半ごろに記事をサーバーに転送した後、1時間もしないうちに群馬と長野県の県境にある草津白根山の噴火が発生し驚かされた。
火口の近くのスキー場にいた人々や遭難救助の訓練をしておられた自衛隊員が飛んでくる噴石に当たり1名が死亡、11人ほどが重軽傷を負う事態となった。
今回の噴火の特徴は、噴煙を上げた火口が地震や噴火の研究者や気象庁が予知していなかった場所であったという点である。
八ヶ岳連峰は赤岳や横岳など幾つかの山々が連なっている。 それと同じように白根山と言っても
、群馬県に位置する白根山から長野県側の本白根山まで長く繋がっている。
これまで噴火の可能性があると思われていたのは群馬県側にある白根山で、今回の噴火口となった本白根山
にはあまり関心が向けられていなかった。 そのため、噴火の一報が気象庁に届いたものの、すぐに避難情報が発せられず、混乱を招く結果となったようである。
どうやら今日のニュースでは真黒な噴煙が上がった火口の中には、火口とは認識していなかった幾つかの火口列が含まれているようである。
またもう一つの特徴は20センチもある噴石が100個近く飛んでいたことで、死亡された自衛隊の隊員もお気の毒なことに、その噴石に直撃されたのが死因であったようである。 ゴンドラに
搭乗中やスキーをしている最中に、これだけの数の噴石が空から飛んで来てはたまったものではない。
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雪山に広がる真黒な噴煙はなんとも不気味だ。
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なんとか下山することが出来た方々が口をそろえて「無事帰って来られて奇跡。よく帰れたものだ」と繰り返し語っておられたの
を聞くと、危機一髪の状態だったことが分かる。 木曽御岳の噴火のように多くの死傷者を出さなかったのは、不幸中の幸いであった。 それにしても
、我が国からそう遠く離れていないフィリピンのルソン島での大噴火の予兆が発生した直後の噴火だっただけに、驚きであった。
その驚きに更に輪をかけたのが、その後、半日もしない夜7時のニュースで本白根山の噴火の様子が放映されている最中に、「米国のアラスカ沖でマグニチュード8.2の地震発生」の
新たなニュースが飛び込んできたことであった。 震源の深さは約10キロ、地震の規模は8.2から7.9に修正されたが、アラスカ湾ではその後もマグニチュード5前後の余震が続いた
ようである。
地震直後、アラスカ州の最大都市アンカレジの危機管理局はアラスカ州のほか、カナダ西岸一帯に当たる同国西部ブリティッシュコロンビア州を対象に津波への警戒を呼び掛けた。「海の近くにいる人は少しでも高い内陸へ移動しなさい。津波警報の発出は、強大な津波の恐れを警告するだけでなく、既に発生している可能性も意味
します」と強く警告。
その後の情報では、実際の津波による被害は小さかったようだが、海岸沿いに住むアラスカやカナダの住民にとって、地震発生が夜中の0時半過ぎだったため驚きが大きく、更なる津波警報の発令によって高台に逃げるなど大混乱を引き起こすところとなったようである。
フィリンピンの噴火にしろ、我が国の噴火にしろ、またアラスカ海沿岸の地震にしろ、それらは皆、環太平洋地震・火山帯で起きたもの。 かねてから心配されていたように、どうやら
、環太平洋地震・火山帯における地震や噴火は、その頻度を徐々に増してきていることは間違いなさそうである。
あわてたところでどうにもなるものでもないので、後で後悔することのないように、物心両面の備えはしっかりとしておきたいものである。
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