裏に秘められたトランプ政権の
親イスラエル政策
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サルマン国王の後継者とされているサウジアラビアのムハンマドサルマン国王の
息子のムハンマド・ビン・サルマン皇太子 (BBC NEWS JAPAN サイトより) |
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昨年11月、サウジアラビアで反汚職キャンペーンの一環として、王族や閣僚、富豪等200人ほどが汚職容疑で逮捕され、ピッツパールトンホテルに拘束されたニュースは、世界に衝撃を与えた。
その後、逮捕された著名なアルワリード・ビン・タラル王子をはじめ主要な人物は、数千億、なかには1兆円前後の大金を支払って保釈されたようである。 その金額の大きさには驚かされた方が多かったはずである。 小さな国の1年分の国家予算に相当する大金を、一個人が支払うことが出来るというのだから驚いて当たり前である。
実はこの汚職逮捕劇の裏には米国のトランプ大統領の娘婿クシュナー上級顧問が関わっていたというから、またまた驚きである。 まだこのニュースは日本のマスコミでは
広く伝えられていないので、読者はご存じないのではないかと思い、お知らせすることにした次第である。
クシュナー氏はまだ37才の若輩者であるにもかかわらず、トランプ大統領の娘婿であるため、大統領上級顧問の要職に就いている。そのため、CIAなどから大統領に寄せられる最高レベルの機密情報を
、日々閲覧することのできる権限が与えられていたというわけである。
実はそうした情報の中に、サウジアラビアの現在のサルマン国王の後継者とされているムハンマド皇太子(32才)に密かに反対する王族や富豪の名前が記されていたのだ。 そしてその情報をクシュナー氏が今年5月のトランプ大統領の中東訪問に同行した際に、密かにムハンマド皇太子に渡していた
というわけである。
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ユダヤ教徒のクシュナー上級顧問 (NewsWeek
サイトより)
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それを受けて、ムハンマド皇太子はアルワリード・ビン・タラル王子をはじめとする敵対人物を一斉に逮捕するところとなったのだ。 逮捕の理由として汚職対策を上げたのは、クシュナー氏からの漏えいを隠すためであったというわけである。
今回の一連の情報は、ウェブサイト・ザ・インターセプト(The Intaercept)
が情報機関幹部の話として伝えたもので、私はそれをカタール・アルジャジーラを通じて知るところとなったというわけである。
カタール・アルジャジーラの米国特派員は、今回の漏えいはトランプ大統領とCIAなど情報機関との間に極めて深刻な影響を及ぼすことになるかもしれないと伝えている。 その後、クシュナー氏は最高レベルの機密情報を取り扱える権限を失ったようである。
それでは、クシュナー氏がなにゆえ危険を承知で、秘密情報をムハンマド皇太子に伝えたか? それは彼がユダヤ教徒であったためである。
トランプ政権がエルサレムをイスラエルの首都として認めた裏に、彼の力が働いていたことは、米国人には承知の事実である。
いまイスラエルはイランとの対決姿勢を強めているが、サウジアラビアもまた、同じイスラム教徒の国でありながら、イランとは対立関係にある。 そのため、
サウジアラビアのムハンマド王子に恩を売っておけば、イスラエルとイランとの対立が激化し戦闘行為に至った際にも、イスラエルに対
する強い反発を抑えてもらえるのではないか、そう考えたからではなかろうか。 私にはそう思えるのだがいかがだろうか。
いずれにしろ、クシュナー氏の今回の行為は秘密情報の取り扱いに関する米国の法律を犯した犯罪行為となるだけに、トランプ政権
にとっては痛手となることは間違いない。 もしかすると、先日お伝えしたティラーソン国務長官の罷免劇には、CIAとの間のトラブル発生を抑える狙いが秘められてい
たのかもしれない。 新しい国務長官に就任したのが、CIAのボンペイオ長官であったからだ。
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