絶対的権力を目指すプーチンとシシ大統領
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民主主義や人権を無視した大統領選に動き出したシシ大統領
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エジプト大統領選挙
米国で民主的な選挙で選ばれたトランプ大統領が自国第一主義を打ちだし、国際間で結ばれた幾つかの協定を反故にし、世界を混乱に陥れている。 一方、ロシアのプーチン大統領や中東の盟主国であるエジプトのシシ大統領は、自身の絶対的な権力を保持するために、3月に行われる大統領選挙に向けて、対抗する立候補者を力づくで排除するという、おぞましい動きを始めている。
エジプトではアラブの春によって登場した大統領を、軍のクーデターで排除して登場したのが、国防相であった現在のシシ大統領である。 彼は在職期間が3月末に迫る中、大統領任期期間を4年から6年に延ばして大統領再選を目指している。
ところが、20日に大統領選挙の立候補の受付が始まって以来、政府の圧力を受けて、立候補を表明した人物が次々と辞退に追い込まれる状況が続いており、反シシ派の最も有力候補とされるアナン元参謀長は、警察に拘束される事態に至っているのだ。 これではもはや選挙にならない。
その結果、著名人たちが声明を発表して、3月の選挙は民主主義や人権を無視した完全な茶番劇だとして、選挙をボイコットする動きが始まっている。 立候補者が次々と辞退させられたり、逮捕されては、残された手段は選挙そのものをボイコットするしかないからだ。
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有力な大統領選立候補者が次々と撤退に追い込まれているエジプト大統領選挙。
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ロシアの大統領選挙
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各地で反プーチンデモが発生。 選挙戦ボイコットを叫ぶデモ集会者。
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これと全く同じ動きが始まっているのがプーチン政権下のロシアである。 ロシアもまた3月18日に大統領選挙が行われることになっているのだが、最も有力な野党指導者でプーチン氏が名前を呼ぶことすら嫌がるほどの人物とされているのがナワリヌイ氏。
この人物を絶対に立候補させたくないプーチン大統領は権力を利用して、ナワリヌイ氏を既に3回にわたって拘束。 とうとう先月には、横領の罪で有罪判決を下して、大統領選への立候補の申請を却下させている。 世論調査では大統領の支持率は70%を超えており、当選は確実とされているプーチン大統領が、なぜここまでして対抗馬を排除しようとしているのか? そこには盤石な「プーチン帝国」を築こうとしているプーチン氏の強い思惑があるのだ。
1999年以来、20年間にわたて大統領や首相という国のトップに君臨してきたプーチン大統領。 彼は大統領の在任期間をエジプトと同様4年から6年に延ばして、これから先、更なる長期政権を手にし、自身の思うがままに国を動かしていこうとしているわけであるが、そのためには、前回の63%を更に上回る投票率で圧勝することが不可欠と考えているのだ。
そのために、圧勝の妨げになる要素は全て徹底的に排除していく必要があるというわけである。 大統領の任期を6年に延ばし、圧倒的投票率で当選したい。 まさに、シシ大統領とプーチン大統領はいま同じ目的を持ち、同じ行動に出ているのだ。 両者ともその望みは叶えられることになるだろうが、その先に待ち受けている世界情勢は決して明るいものではなさそうである。
こうして世界はハルマゲドンへの道を一歩、一歩、先に踏み出そうとしているのだ。
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最有力な反プーチン候補者ナワリヌイ氏は、再び集会の最中に警察によって拘束されてしまった。
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