イギリス南部で起きたロシアの元スパイに対する暗殺未遂事件から3週間余。 英国がロシアの外交官23人を追放したことに対して、ロシアが対抗措置をとったことについては、「米英とロシアとの対立激化」でお伝えした通りであるが、その後、英国とロシア間だけでなく欧米諸国とロシアとの関係悪化が、驚くほどの勢いで広がり始めている。
26日にベルギーのブリュッセルで開かれたEU首脳会議で、事件にはロシア政府の関与があった可能性が高く、神経剤の使用は全ての国にとって脅威であるとして、ドイツやフランス、イタリアなどEU加盟国の半分以上の16カ国が、ロシアの外交官を国外追放する処置を発表。 さらにそれに歩調を合わせるかのように、カナダやウクライナなど5ヶ国も追随。
一方、米国はワシントンのロシア大使館の48人とニューヨークのロシア国連代表部12人の計60人の外交官の国外追放に加えて、シアトルのロシア総領事館を閉鎖する大規模な措置を行うことを発表。 これでロシアに制裁措置を実施する国は英国を含めて22カ国となり、これから先、さらに広がりそうである。 欧米諸国を中心としたこれだけの大規模な外交官追放措置は冷戦終結以来、最も多く前例のない数となっている。
時をさかのぼると、ロシア政府によるクリミアのロシアへの併合をきっかけに、今もなお続くウクライナ東部への軍事介入、さらには、欧米諸国に対するソーシャルメディアを利用した一連のサイバー攻撃 ・・・・・など、ロシアが行ってきた欧米に対する強固政策はプーチン大統領の国内での支持率を上げる一方、欧米諸国を憤慨させるところとなり、経済的封鎖などの措置をとりあう状況が続いている。
ハルマゲドンの発生は「欧米対ロシア」の争いが発端となるとされているだけに、読者に置かれては、これから先、ロシアを巡る情勢には関心を払っておいて頂きたいと思っている。 自然災害だけでなく、シリアやイエメンの紛争の激化や政治情勢の混乱がここに来てその勢いを増してきているだけに、気になるところである。