太陽のソーラーフラッシュを前にした高エネルギーの放射による海水温の上昇は、台風やハリケーンを巨大化するだけでなく、凍てつく北極海に面した島に大変な現象を発生させ、人類にとっても大きな脅威となっている点については、前回お伝えした通りである。
その島というのはデンマーク自治領のグリーランドである。カナダとデンマークに挟まれたグリーランドは我が国のおよそ3倍ほどある巨大な島であるが、その多く
が氷におおわれているため、人口はわずか6万人余。
先日、イギリスのBBCテレビが、海水温の上昇によりこの氷が近年すごいスピードで溶け始めている様子を伝えていた。2004年以来この地域の気温は世界平均の2倍のスピードで上昇しており、8月初旬には、平年より14〜17℃も上昇して地表近くのいくつかの場所で史上最高気温24℃を計測。さらに島を覆っている氷床の最も厚い3000mの頂上部に設置されている温度計も、気温が融点に達したことを記録。その結果、
氷床の多くが融解し始め、その水が氷床全体の90%近くを覆ったようである。
こうした傾向はこれから先も続くことになるようなら、10数年先には、島全体の氷が溶けてしまうことになるかもしれないようである。グリーンランド西部に融解監視センターを設置した女性の気象学者のイリーナ・オヴェリーム(Irina
Overeem)さんは、「そうならないことを、ただ祈るのみです」とツイートしている。
もしも、そうした事態に至った時には、地球全体の海抜が7・3m上昇することになるというから、東南アジアの小さな島々の多くが海面下に沈むことになるだけでなく、ニューヨークや東京の街も満潮時には海水に覆われることになりそうである。