23日に、国連のグテーレス事務総長が各国に温暖化対策の具体策を持ち寄るよう呼びかけて開催された「気候行動サミット」。会議では77ヵ国が二酸化炭素など温室効果ガスを2050年に実質排出ゼロにすることを誓ったものの、インドや中国は具体的な道筋を示さず、これといった成果は出ないまま終了するところとなった。
注目されたのは会議に参加したスウェーデンの高校生・グレタ・トゥーンベリさん16歳。彼女は77ヵ国の首脳たちをにらみつけながら、時には目に涙を浮かべ「若者たちはあなたたちの裏切りに気づき始めています。私たちを見捨てる道を選ぶなら、絶対に許しません」とする、なんとも凄いスピーチを行った。
「生態系のすべてが破壊されて人々は今苦しんでいます。死んでいきます」「私たちは大量死の始まりに立っているというのに、あなたたちの話すのはお金のことや経済発展がいつまでも続くという、おとぎ話ばかりです。よくそんなことを言えますね」
「30年以上、科学者ははっきりと示してきました。なのに、あなたたちはそれから目をそらし、この会場にやって来て、「十分にやってきた」とどうして言えるのですか。このままではあなたたちは邪悪な人間ということになりますよ」
まさに彼女の言う通りである。政治家たちの中にも真剣に取り組もうとする人もいるが、残念ながらその多くは、目先のことや、わが身のこと、金儲けに繋がることにだけ取り組み、人類や地球の未来などどうでもよいと考えている輩(やから)たちばかりである。
今回のサミットに演壇に立つことすら出来なかった国の代表が、温暖化対策の遅れを批判されている米国と日本である。驚いたことに、欠席が予定されていたトランプ大統領は突然会場に姿を現して席についたものの、演説はすることなく、十数分間で退席。
会議の席に顔を見せながら、あっという間に退席するとはなんということだろう。
大統領は温暖化対策など無用なことだと主張してパリ協定から離脱した人物である。温暖化の最大の要因は太陽からの放射線の急増ではないかと言われているが、Co2の増加もその要因の一つであることは確かだけに、温暖化対策が必要ないというのは過ちである。