アマゾンの森林伐採が人類に大きな脅威となっていることについては「
ブラジル新大統領登場でアマゾンに危機迫る」でお伝えした通りである。地球に酸素を供給し二酸化炭素を吸収してくれているアマゾンの原生林の減少は、地球の温暖化への悪影響をもたらす要因の一つとなっているからである。
今回はアマゾンとは対照的に厳しい寒気に覆われている北極海周辺のシベリアやアラスカ、グリーランドなどで、通常の森林火災とは桁が2桁も違う、巨大な森林火災が発生しているニュースである。その代表的事例がロシアのシベリア地方のイルクーツク地方やクラスノヤルスク地方などで、先月から発生している超巨大な森林火災である。
この火災による延焼面積はすでに日本の四国の1・5倍にあたる300万ヘクタールに達しており、今もなお一向に収まる気配がなく、延焼個所は150カ所に達している。この火災の状況に不安を感じたロシア国民から政府に対して、真剣に消火活動が行われていないと非難の声が寄せられるようになってきていることから、プーチン大統領は軍に消火に当たるよう指示を出すことになったようである。
森林火災とは縁のないはずのシベリアや極東地域で大規模な森林火災が発生している要因となっているのは、気温の上昇と乾燥であるとされているが、それを裏付けるように、WMO(世界気象機関)はシベリアでは6月の平均気温が2010年までの約30年間の平均気温に比べて約10℃上昇していると発表。今回の火災について「前代未聞の事態である」として、懸念を示している。
今回のシベリアの森林火災のニュースで、プーチン大統領とトランプ大統領が電話会談を行った際に、トランプ大統領がロシアに対して支援を申し出たという話を聞いた時には、思わず笑ってしまった。どうやら、森林火災のメッカと化している米国だけに、鎮火に手を貸してやるぞということになったようである。さすがは米国である(笑い)。
これを機会に、お二人とも政治的な争いごとを少なくするように努めたらどうだろうか。出来ることなら中国の習近平主席にも仲間に入って頂いて、仲良くしてほしいものである。