ジャーナリスト・カショギ氏殺害から1年
今も殺害を否定し続けるムハンマド皇太子と
カルマの刈り取りが始まったサウジアラビアの未来
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今は亡きジャマル・カショギ氏
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殺害現場の前で行われた追悼会で、
「昨年の今日、私はここにいましたと語るカショギ氏の婚約者ジェンギズさん |
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サウジアラビアのジャーナリスト・ジャマル・カショギ氏がトルコのイスタンブールにあるサウジアラビア総領事館で殺害されてから、昨日10月2日で丸1年。
総領事館の前では世界中から多くの報道陣が集まる中、関係者による追悼行事が行われ、事件当日カショギ氏と一緒に総領事館まで同行した婚約者のジェンギズさんは「私はここで愛する人が出てくるのを待ち続けていました」と涙ながらに語っていた。
サウジアラビア政府は当初、事件への関与を完全に否定する一方で、トルコ政府は「殺害者はサウジアラビアのムハンマド皇太子の配下で、皇太子の命によってなされたものである」と発表。その後、サウジアラビア政府は、トルコ政府の発表が大使館内の録音記録に基づいた信憑性が高いものだったので否定しきれず、当局者の関与を認めて11人を逮捕・起訴、内5人に死刑を求刑するところなった。
しかし、殺害命令を出したとされるムンマド皇太子は部下が殺害に関与したことは認めているものの、今もなお自身の関与は否定し続けている。皇太子直属の部下が上司の了解を取らずに、海外の大使館内において、計画的な殺害行為をすることなどあるはずがないのにである。
しかし、その嘘ごとが今の世界ではまかり通っているのだからなんとも恐ろしい世界である。トランプ大統領などは今年我が国で行われた国際会議・G20の記念撮影の場で、皇太子を自身の横に呼び寄せ固く握手をする場面を演出していた。
因果応報の天罰が下り始めた?
人間世界
ではそんなおぞましい行為がまかり通っていても、天の神々は許すことはない。最近のサウジアラビアの状況を見ていると、どうやら天罰が下り始めたようである。
読者は、イエメンの国民がいま「内戦」と「コレラのまん延」で悲惨な状況に遭遇しているのは、すでにご承知のはずである。その内戦はイエメンの政府軍と
反政府軍・フーシ派との戦いで既に3年が経過している。
この内戦に対して政府軍を支援しているのが、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)。一方、反政府軍を支援しているのがサウジの敵対国イランである。この紛争はつい最近までは、政府軍が圧倒的に有利に戦っていたのだが、8月に入ったあたりから、反政府軍が優勢と化して来ているようである。
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イエメンのフーシ派により破壊されたとされている
サウジアラビア国営の石油施設とその炎上の様子。
(NHK/BS局・キャッチ世界のトップニュースより)
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その理由は、反政府軍に対するイランからの支援が強くなったためである。先月にはドローンと巡航ミサイルによる攻撃でサウジアラビアの石油精製施設が爆撃され、
同国の石油生産量の約半分(日量570万バーレル)の生産が停止する事態となり、世界の原油価格が急騰する事態となった(上の写真参照)。
また最近、フーシ派の報道官が明らかにした情報によると、サウジアラビアとの国境沿いで行われた戦闘で、反政府軍は政府軍に大勝し、政府軍兵士とサウジアラビア軍兵士500人を殺傷、2000人以上を捕虜したようである。どうやら、政府軍はこれまでにない大敗をきっする事態となったようである。
ところがおかしなことに、フーシ派の発表に対して、サウジアラビアとUAE政府は今もなお沈黙を保ったままである。これは、今回の大敗が両国にとって大変な痛手であったことを示しており、場合によっては、これから先
、両国はイエメンからの撤退を余儀なくされることになるかもしれない。
こうした戦況の変化はアラブ諸国は皆しっかり見ているので、米国と一体となってイスラエルを支援してきたサウジアラビアは、これから先、立場を弱くすることになるかもしれない。
どうやら、1年前のサウジアラビアの事実上のトップであるムハンマド皇太子の残虐非道な殺害行為は、こうして、国としてのカルマの刈り取りという「天の裁き」
を受ける事態となって来ているようである。
残された3次元世界は次第に時間が少なくなって来ているようなので、「因果
」に対するこの世での「応報」は、あまり時間をおかずに行われることになって来ているのかもしれない。 アラブ世界での覇権国家であり、豊富な石油輸出で財政的にも恵まれた大国・サウジアラビアが、これから先たどる道をしっかり見届けていきたいものである。
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反政府軍のフーシ派によって爆撃された政府軍部隊
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フーシ派によって捕虜とされた政府軍兵士とサウジアラビアの
将校や傭兵たち。 その数は2000人に達したというから政府軍は
大敗であり、それはサウジアラビアとUAEにとっても大きな痛手である。
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