暗いニュースが続く毎日、さぞかし読者におかれても日々心を痛めておられることだろう。そんな心を癒すのに少しでも役立てて頂ければと思い、徳乃蔵の休日を利用して一昨日、八ヶ岳山麓の野辺山高原へ写真撮影に出掛けた。
当日は全国的に厳しい寒さが到来する中、標高1400メートルを越す野辺山高原一帯は早朝の気温はマイナス18度、日中でもマイナス5度を上回ることがなかった。
撮影中、雪原にたたずむと、つむじ風で雪が舞い上がり視界が閉ざされ、体感温度はさらに下がる。しかし、そんな厳しい状況下であるがゆえに、仰ぎ見る八ヶ岳の主峰赤岳や南アルプス連峰の北岳の景観は格別であった。
途中で、「吐龍の滝」(どりゅうのたき)に立ち寄った。20センチほど積もった雪の中を進むと見慣れた滝の姿が見えてきた。積雪と凍てつく寒さの中、さすがに人の姿はまったく見えない。龍の吐く水は氷柱(
つらら)となって見る者を凍てつかせる。
その後で野辺山の獅子岩に向かったが積雪で通行止めとなっていたので、国立天文台を訪ねた。日本一の電波望遠鏡やミリ波干渉計などが設置された天文台一帯も30センチを超す雪に被われていたが、積雪の中にたたずむアンテナの姿は、深遠な宇宙に繋がる幻想的な雰囲気を醸し出していて、なかなか絵になる風景であった。
中でも直径が45メートルという超巨大な電波望遠鏡には圧倒された。
これは「ミリ波」と呼ばれる電波を観測できる世界最大の電波望遠鏡で、研究者たちはこの大口径を活かして、天体からのかすかな電波を捉えて次々と宇宙の謎を解き明かしている。
しかし、それでも我々が知る宇宙の知識はまだまだわずか、さらに多次元宇宙
やパラレルワールドの謎を解き明かそうとするなら単なるデーター収集だけでなく、3次元を飛び越えた高次元の宇宙観が必要になってくる。人類が宇宙の真の姿を理解する時はまだまだ先、アセンションを経て高次元の世界に身を置いた後になりそうである。