秒速4メートルで飛ぶオニヤンマ
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目の前を飛ぶオニヤンマにピントを合わせることは至難の業。
〈クリックで拡大)
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最近その姿を見ることが滅多に無くなったオニヤンマが生息している場所を、知人から教えてもらったので訪ねてみることにした。
そこは雑木林の中、湧き水が静かに流れるトンボたちの生息には格好の場所であった。 オニヤンマの頭部から腹部の先端までの大きさはおよそ11センチ。 日本に生息しているトンボの中では最大種で、赤トンボ〈アキアカネ)の全長4センチに比べると3倍近い大き
さである。 なんと言ってもオニヤンマの特徴は、鮮やかな黄色の横筋の入った濃紺色の胴体部分だ。
実はこのトンボの姿を撮影するのは大変である。 なにしろ速いときには秒速4〜5メートルのスピードで飛ぶだけにカメラで追いかけるのは至難の業。 それに赤トンボやシオカラトンボなど他のトンボと違って、葉っぱの上や枝に止まることが少ないため、ピントの合った
姿を撮影するのが難しいのだ。
撮影地に入ってトンボたちの飛ぶ様子を眺めていると、湧き水の流れに沿って往復を繰り返している
。 どうやらオスは成長するとメスを求めて流水区域を往復飛行する習性があるようだ。 しばらく観察していると、小川がカーブしているところに来るとスピードを緩めるのが分かった。 そこで、撮影のポイントをカーブの手前付近に絞ることにし
て三脚を据えた。 しかし、3時間ほど粘ったが納得のいく写真が撮れない。 徳乃蔵の開店時間が迫ったので日を改めることにした。
翌日、撮影地点に日が差し込む夕方を狙って再度撮影に挑んだ。 明るさがないとシャッタースピードが遅くなり、ピントが合わないからである。 それでもなかなかこれと言った写真が撮れず、それからさらに3日ほど通うこととなった。 その結果、なんとかピントを合わせることが出来たのが
「写真 @、A、B」である。
オニヤンマの恩返し?
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蜘蛛の巣にかかってしまったオニヤンマ。
気づかず帰っていたらクモの餌になってしまうところであった
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一連の撮影を終えた帰り際にふと小川の先に目をやると、先程まで飛んでいたオニヤンマが、蜘蛛の巣にかかっているのが目にとまった。 川から離れて飛んだとき巣にかかってしまったようだ。
何日もの撮影で仲間意識が生じていたので川を渡って解き放ってやることにした。 靴はびっしょりになったけど、まだ巣にかかってすぐだったので元気よく飛び立ってていくのを見てホッとした。
不思議なことが起きたのは翌日の夕方のこと。 盆の送り火をたいて家に入ろうとしたとき、息子の嫁が「お父さんオニヤンマが飛んでいる!」と叫ん
でいる。「家の庭にはオニヤンマは来ないよ。 シオカラトンボだと思うよ」と言って、ふと見るとなんと本当にオニヤンマが飛んでいた。
急いで書斎に戻りカメラを手に戻ってみるとまだいてくれた。 見ているとなんと目の前でホバリングしてくれるではないか。 目の前わずか数十センチのところだけに、その迫力のあること。 それにしても、人の目の前でホバリング
して見せてくれることなど滅多にあることではない。
近すぎて撮影出来ないので、「どこかに止まってくれないかな〜」と思っていたら、まるでこちらの意思が通じたかのように、近くのアジサイの幹にに止まってくれ
た。 それは小川の撮影現場ではまったく見ることの出来なかった光景で、念願の止まったオニヤンマの姿を接写することが出来た〈写真オニヤンマC)。
感謝、感激である。
撮影を終えて有り難うと言うと飛び立って、あっと言う間に見えなくなってしまった。 もしかしたら昨日のオニヤンマが飛んできてくれて、私の希望を叶えてくれたのかもしれない。 ふとそんな気持ちがしてくるほど不思議な一時であった。
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C |
未熟期の
アキアカネ(通称・赤トンボ)
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オオシオカラトンボ
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夏の草花が咲き乱れる
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月見草 |
夏の花の代表・ヒマワリ |
追記・徳乃蔵情報
「夏休みも終わり、徳乃蔵への来客もだいぶ少なくなって来た。 金龍様の前で「聖なるエネルギー」を頂きゆっくりと心を安らげるには、絶好のチャンスである。
日に日に世の中騒然となって来ているが、いざというときには沈着・冷静さがなにより肝心。
来館の際にはゆるりとされて「冷静な心」を揺るぎないものにして頂くことを願っている。
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