最後の楽園PERU
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コビトタイランチョウ (クリックで拡大)
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今、徳乃蔵ギャラリーでは「最後の楽園PERU」展を開催中である。ペルーのジャングルの中を流れる大河マヌー川とマドレ・デ・ディオス川は流れ下ってブラジルのアマゾン河に合流する。その川の周辺の熱帯雨林には、他では見ることの出来ない鳥や動物、蝶、草花など貴重な動植物が生息している。
そんな動物や植物に興味を引かれて最初に彼の地を訪ねたのが2005年、その後合わせて4回にわたる撮影の旅で撮った作品を写真集にしたのが『最後の楽園PERU』である。今回、徳乃蔵で展示しているのはその中
から選んだ20数点であるが、写真集をお持ちの方でも、来館されて実際に写真をご覧になられると「迫力が違いますね」と言われる。
やはり、写真はそれなりの大きさで見ないと心に響かないものだ。写真の放つエネルギーの強さが違うからである。さらに撮影した時の状況を知ると、自分がその場に立った気持ちでご覧になられるので、臨場感が感じられ感動の度合いが違ってくるようである。
今日と明日2回にわたって、今回展示している作品の中から2点を選んで、撮影のエピソードというか苦労話の一端をお話しさせて頂くことにした。来館される方は読んでからお出掛け頂けたら
、感動の大きさが違ってくることだろう。
先ずは、上の写真「コビトタイランチョウ」の撮影秘話である。
コビトタイランチョウ撮影秘話
この鳥は体長が6.4センチと世界中のスズメ目の中で最も小さい鳥である。
因みに日本の野鳥の中で一番小さい鳥は「キクイタダキ」で10センチ、「コビトタイランチョウ」はその半分ほどしかない極めて小さい可愛らしい鳥である。 こんな蝶並みの小鳥を30メートルを越す大木が密生するジャングルの中で見つけるのは、至難の業である。
アマゾンでナンバーワンと言われている名ガイド、フリョ・ロペス氏が案内してくれたお陰で、幸いにもそんな「コビトタイランチョウ」に遭遇することが出来たものの、彼が指し示す方向をいくら見ても確認できない。 なにしろたった6センチ程の鳥が、20〜30メートル離れた大木、それも羽根の色と同色の緑色の葉の間に止まっているのだから、そう簡単に見つかるものではない。
最初の出会いはとうとう探しきれない内に飛び立ってしまい、万事休すと相成った。しかし幸運にもちょうど巣作りの最中であったため、何度か同じ枝に戻って来てくれた。 そのたびにあすこ、あすこと言われて
必死に探すのだが、なかなかその場所が分からない。 やっとの事で何とか確認できたのは、4回目に戻ってきた時のことであった。
撮影するには、さらなる難題が待ち受けていた。それはタイランチョウの可愛らしい姿をくっきり浮かび上がらせるための、よりよい撮影場所を確保することであった。
密生する木々の葉の中に埋もれてしまっては鳥が霞んでしまう。 何とか後方の光の中に鳥を入れようとするのだが、巨木の乱立するジャングルの中だけに、なかなか思うよう
な場所が確保できない。
そこで近くの大木セイバによじ登って撮影することにした。 うまい具合に木の上から長い枝が垂れ下がっていたのでそれにつかまって移動し、
ガイドと水先案内人に上と下から身体を支えて頂いてようやく撮ったのが上の写真というわけである。
ギャラリーに展示されている全紙大の写真で見てもらえれば、くちばしのまわりに巣作りのための毛が巻き付いているのが分かるはずだ。
下は撮影が終わったあとの情景である。
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コビトタイランチョウの撮影に成功したのは、1ヶ月ほど滞在した最後の旅であった。
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