先月25日、長野県の木曽町や王滝村で震度5強の地震が発生、その後2度にわたって同規模の余震があったことはご承知の通りである。 発生場所が先般多数の死者を出した噴火の起きた木曽御嶽山の麓だっただけに、噴火活動との関連性が気になっていた。
ところが、それから1週間後に、木曽御嶽を挟んで南北の地、北海道と九州で起きた震度5弱の地震は、日本列島のプレート全体に異常が発生し始めたのではないかという懸念を抱かせるところとなった。
特に遠く離れた北海道と九州の地震がわずか1時間ほどの短いスパンで起きただけに、無気味であった。 多くの読者も同じような不安を感じられたのではなかろうか。 気象庁が震度が特に大きくないにもかかわらず、深夜に緊急会見を行ったところをみると、気象庁自身も一連の地震が異常と判断したものと思われる。
そんな中、ブログ 「 In deep」に最近米国のイエローストーンで群発地震が発生しており、その回数が間もなく1000回に達しそうだというアメリカからの報道が掲載されていた。 震度は極めて小さく、震度3以上は数回程度のようであるが、地震の頻度そのものは従来にない回数に
達しているようである。
ブログには、8月に米国としては99年ぶりになる皆既日食が北米大陸を横断することと、ワイオミング州のある米国の女性が、イエローストーンはこの皆既日食の間に噴火すると、警告している
ことも掲載されていた。
もしもこのまま群発地震が続くようなら、8月21日までにはその回数が2500回前後に達していることになりそうなので、その上空を皆既日食の太陽が通過するとなると、規模の大小は別にして、イエローストーン直下の超巨大なマグマだまりや地殻に影響を及ぼす可能性は無視することは出来ないかもしれない。
現に、昨年の9月13日の読売新聞に、巨大地震は満月や新月の前後に起きやすいとする統計分析結果を、東京大学の井出哲教授(地震物理学)らの研究チームがまとめ、英科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス」に発表している。
井出教授らは、1976〜2015年に世界で起きたマグニチュード(M)5・5以上の地震1万1397件について、発生直前の2週間の太陽と月、地球の位置関係や潮位を調べ、地下にかかる力の大きさの変化を計算した結果を次のように述べている。
「2011年の東日本大震災や2010年のチリ地震、2004年のスマトラ島沖地震などM8〜9級の巨大地震は、地下にかかる力が高めの期間に起きるケースが多いことが判明している。 ただし、M7級以下では、この傾向は明確にはみられなかった」。
どうやら、月や太陽の引力が地下の岩盤に影響を与えていることは確かのようである。 だとすると、このまま群発地震がもしも日食当日まで続くようなら、その上空で月と太陽が重なった際に、イエロー・ストーン一帯に現在より規模の大きい地震や、火山噴火が発生する可能性はあってもおかしくはなさそうである。
ただ私自身は、「富士山の噴火は世界の火山噴火の先駆けとなる」というメッセージを重要視しているので、富士が狼煙(のろし)を上げるまでは、大規模噴火
が発生することはないのではないかと思っている。
とはいうものの、今世界各地で発生している自然災害などの異常現象を考えると、何が起きてもおかしくない状況に近づいているのは確かであるだけに、8月21日前後2週間は、イエローストーン関連のニュースには関心を払ってお
かれたほうがよろしいかもしれない。