トルコがロシアからミサイル購入
 

 


ホーム
上へ
一段と速度を増す「時の流れ」
資質を問われるトランプ大統領
8月、米国を皆既日食が通過
G20会議が示す世の乱れ
国家破たんに向かう日本
宗派間対立がもたらしたイエメンの惨状
多発する森林火災の真相
心を癒す「看護ネコ」の姿
イスラエルで緊張高まる
拡大し続ける南欧の森林火災
トルコがロシアからミサイル購入
再び北朝鮮ICBMの発射実験
北朝鮮情勢の真相
久保画伯展示会開催
「種の争い」を乗り越えた動物たち
さらに拡大するイエメンのコレラ
現実化し始めた「ウォータークロック」
欧米で悲惨な事件とテロ相次ぐ
ジワリ、ジワリと迫り来る異常気象
雨季の南アジアで記録的な洪水
またもやイージス艦とコンテナ船衝突
イタリアの地震から1年
途方もない大惨事と化すヒューストン
常態化し始めたアタカマ砂漠の花園
さらに拡大し続けるヒューストンの被害
不思議な猫の特性
ペルーの学校建設のご報告
北朝鮮、加速度を増す核・ミサイル実験
異変、宇宙にまで拡大
ロヒンギャ族の悲劇 @
凄まじいハリケーン・イルマの被害状況
ドイツとトルコの関係さらに悪化
ロヒンギャの悲劇 A
止まらない巨大災害
厳しさを増す北朝鮮問題
火山・地震が活発化してきた環太平洋地震帯
またしてもプーチンにやられた米国

世界情勢を一層深刻にしたトルコの決断

 
 

 
 

 

 

トルコがロシアから最新鋭のミサイルを購入するというニュースが飛び込んできた。 何とも驚きである。 なぜならトルコはロシアからの脅威に対抗するために結成された、米国とヨーロッパ諸国による軍事同盟・NATO (北大西洋条約機構)の加盟国であるからだ。

今回トルコが購入することを決めたロシアの地対空ミサイルシステム「S400」については、これまでロシアが輸出契約を結んだのは中国だけ。 そのミサイルをNATO加盟国のトルコが購入するというのだから驚きだ。 

一体その背景に何があったのか?

それは、トルコの蓄積されてきた米国やヨーロッパ諸国に対する不満である。 米国は対IS作戦を実施するために、トルコの空軍基地を提供してもらっている。 なのにトルコが敵対視しているクルド人勢力に米国は武器を提供し続けている。 これはトルコ政府にとって大きな不満となっていることは間違いない。

さらに、ヨーロッパ諸国に対する不満も大きい。 EU諸国が抱えた一番の難問は、大量に流入するシリアなど中東諸国からの難民問題である。 この問題を解決するために、トルコとしてはシリア難民500万人の内300万人を国内で留めおくという協力体制をとってきている。 それなのに、最近のEU諸国はトルコのエルドアン大統領の強権政治に対して非難の声を強めている。

 
 

 
 

 

 

トルコが購入することになったロシアの最新鋭地対空ミサイルシステム「S400}

 

中でもドイツは、エルドアン政府の閣僚がドイツに在住しているトルコ人の集会に参加することを拒否して来ており、先般はドイツで開かれた20カ国首脳会議に出席したエルドアン大統領による在ドイツ人集会の開催をも認めなかった。 

こうした一連の動きに対して、エルドアン大統領は、「トルコへの敬意を欠くと、相応の反応があるぞ!」と怒りを込めた発言をしている。 それは早速ドイツに向けられ、対IS作戦に使用している国内基地へのドイツの議員団の訪問を認めない対抗措置をとった。 そして今回のロシアからのミサイル購入は、米国に対するしっぺ返しとして実施されたというわけである。

私はかねてから、これから先に予想される新たな中東戦争や世界最終戦・ハルマゲドンに向かってキーを握るのはトルコではないかと、伝えてきた。 そういった意味からして、今回の地対空ミサイルシステムのロシアからの購入は、中東情勢のみならずNATO諸国との亀裂を生むことになるだけに見逃すことの出来ない出来事である。

直近の問題として心配されるのは、ヨーロッパ諸国と米国との亀裂である。  ロシア疑惑で揺れるトランプ政権は新たなロシアへの制裁を実施。 これに対して、これ以上ロシアとの関係悪化を望まないヨーロッパ諸国では、米国に対する嫌悪感が生まれて来ている。 それでなくても、環境対策のパリ協定からの離脱や、NATOにおける軍事費の増額要求などの点でトランプ政権に対する反発が強まっているだけに、米国のトルコに対するミサイルの売却拒否が生み出した両者の亀裂が心配されるところである。

 
 

 
 


トルコのミサイル購入が、トルコとロシアとの関係をより緊密な
ものとして、今後の世界情勢を変えることになるかもしれない。

 




 

戻る 上へ 進む