雨季に入っている南アジアでは、インドやネパール、バングラディシュに至る広大な地域で、大雨による洪水と土砂崩れで記録的な被害が発生している。 死者の数は
少なくとも800人を超しており、被害者の数は100万人に達している。
中でもバングラディシュの被害は甚大で、道路は河と化し、村全体が流されたところも幾つか出ている。 道路があちらこちらで寸断されているため、救援活動が進んでおらず、避難場所に移動できない人々は水没状態の家の中で、食糧
も水もない状態で支援を待ち続けている。
家屋が破壊されたり水没した上に、急な増水であったため、家具や衣類など身の回りのものの全てが水に流されてしまったようである。 それゆえ、どんなものでも身の回りの物は貴重で、水に浮かんでいるマットレス
や洋服を必死な思いで拾い上げている人々の姿が痛々しいほどである。
心配なのは、水没したエリアがあまりにも広範囲にわたっているため、汚染された水で病気が広がる危険性が大きいことだ。 もしも、イエメンのようにコレラなどの疫病が発生すれば、治療が出来る状況ではないだけに蔓延する可能性
があり、死者の数はさらに増えることになるかもしれない。
掲載した被災の写真を見て頂ければ、被害の規模が我が国のそれとはケタ違いであることがお分かりになるはずだ。
洪水後も水が退かないため、今もなおいくつもの村全体が水没状態にあり、避難できない村人が散在していて支援の手が行き届かないでいる。
こうしたことは我が国ではめったに前例がないが、、これから先
、災害の規模が大きくなれば、同じような状況に陥る可能性は大である。 過去の事例が役に立たなくなって来ているのが昨今の自然災害の実態だからだ。 読者におかれては、ポロハウ長老が伝えてくれた「ウォータークロックの到来」を甘く考えない
でおいて頂きたい。 「明日は我が身」の時が刻々と近付いているからだ。